表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪なるミタマ  作者: 九尾
第四幕 敢為邁往編
45/100

挿入・空港/怖い人

 氷川悠斗は、空港へたどり着いた。

 向かう先は、大英帝国連合。

 かつてヨーロッパと呼ばれた国々の集まりが、百年前の災害によって誕生した、連合国。

 そこには、かつて吸血鬼について調査していた施設があるらしく、そこを調べ上げるために悠斗が選ばれたのだった。

 きゅっと、繋いでいた右手が不安げに握られた。


「どうしたんだい、トーア」


 右手の少女――トーアに、悠斗は優しい笑顔を向ける。

 どうやら彼女は、少し震えているようだった。


「あそこには、怖い人がいる……」


 悠斗は初めて、怖がる女性を見たような気がした。

 悠斗の周りの女性は、悠斗の気を引くためにわざと怖がったりして、それはもう吐き気を催すほど気持ちが悪いものであった。しかし、今の彼女のように、こうして心からものを怖がる女性はどうにも、不謹慎ながら可愛らしいなと思った。

 自然と、笑みが出来る。


「どうして、笑うの」


 機嫌を損ねたようで、唇を尖らせたトーアは、悠斗の右手の甲をきゅっと抓った。

 少し痛いけれど、痛がるほどではない。そこがまた、彼女らしく、可愛らしくて。


「大丈夫だよ」


 悠斗は、トーアの手を少しだけ強く握り返した。

 壊れてしまわないように。やさしく、包み込むように。


「……うん」


 トーアもまた、強く悠斗の手を握り返した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ