観光デート①
ソヨヒトとローネは北海道博物館に来ていた。
ソヨヒトは、良くも悪くも、自分勝手部分が多い、せっかくのローネとのデートであっても、当初の自分のプラン通り、自分の見たいしたい事を優先する。
「わぁでけー!すげ〜ローネさん見て、見て
ほら!これ!マンモスとナンマンゾウだよ!」
「フフフ、そうですね!凄いですね
ノリヒトさん」
そんな無邪気なノリヒトの腕に抱きつき、微笑んでノリヒトを見つめる。
一通り、博物館を見て回った後、ベンチに座るローネに、缶コーヒーを差し出す。
「どうぞお召し上がり下さい、お嬢さん」
ローネは笑顔で、缶コーヒーを受け取り、
「ノリヒトさんありがとう」
ノリヒトもローネの隣に座り、缶コーヒーを飲みながら、アレが良かった、コレが凄かったと話す。
ローネは、嬉しそうにその話に、うんうんと、うなずき聞いていた。
ローネ
なぜだろう、、、ノリヒトさんと一緒にいると、あの人のことを思い出す、、、。
初めて会ったのは、私がまだ180歳の頃、彼からの熱烈なプロポーズで、
190歳で結婚、200歳でシルを出産、
とても幸せな時だった、、、けど、、
幸せは長く続かなかった。
彼が戦争で死んだ後、エルフ王国の王都が陥落、、、各地のエルフの砦が、徐々に敵の手に落ち、そのたびに逃げ落ちること150年余り、いよいよとエルフが追い込まれた時、
奇跡が起きた。
初めこそ、私を含めたエルフの民は、ノリヒトさんを警戒した。
けど、徐々に、彼のひとなりがわかり、好ましくないが、好ましいに変わっていった。
いつしか、彼の面影を、ノリヒトさんに重ねる様になっていた。
長いエルフ生から考えると、ノリヒトさんと共に歩める時間は、ほんの一瞬、、、けど、その刹那の時でいい、、、ノリヒトさんを感じていたい、、、私にとってそれが喜びとなっている。
サチ
空港で、シルちゃんに頼まれた時は、
ビックリした。
「普段はお母さんは、お義母さんに遠慮してるから、出来れば、この旅で、お義父さんと、二人だけの時間を作ってあげて欲しい、、、」
なんて、母親思いのいい子なのかしら、
流石、私の娘ね!
正直、ローネにノリヒトを少し取られるのは
悔しいけど、ローネは私の大事な親友
シルちゃんの義母として、娘の頼みと親友の
幸せのために、今日はローネにノリヒトを
譲りましょ!でも、明日は私ね!
それと、シルちゃんには悪いけど、シルちゃんにも頑張ってもらいましょ!!
ふふ!シルちゃん!義母はお見通しですよ!
シル
空港のデッキで、お義母さんにお願いをした。
怒られるかも、、、そう思っていたけど、
お義母さんに抱きしめられた。
温かった、、、にーさんと同じ匂いがした。
けれど、お義母さんにイジワルされた、、、
まさか、にーさんと二人っきりにさせられるとは、、、せっかくお義母さんが機会を作ってくれたんだ楽しもう!!