デートですよデート②
ガストを出た後、あても無くプラプラと歩くと、着いた先は、代々木公園だった。
二人で噴水のベンチに座り、
なにを喋ることもなく、噴水を眺めているすると、、、
「昨日の面接に来た子、可愛かったよね、ほら、うちの1年生、、、」
と、俺に振ってくる。
「そうだな、さおりの時もそうだったけど、先輩達のテンションが笑えるよ、、、」
そう言って話を濁そうとすると、
「一昨日、バイト先の近くのファミレスに、
入るところ見たんだよね、、、」
見られていたか、、、この話を振られた時、
何となくそう思ったけど、、、さて、どこまで話すか、、、
「実は、オトンの遠い親戚なんだって、、、
来日して、日も浅いから、うちで面倒を見てる的な、、、感じ、、、」
「えっ!、、、そうだったの、、、」
「シルって言うんだけど、親子でね、、、」
「一緒に暮らしてるの?でも、学校では、、」
「うん、ほら、ただでさえ異国の人だから目立つのに、その上すごい美人だから、俺と関わると、色々面倒だろ、、、」
「ソヨヒトはシルさんのこと、、、」
「好きだよ、、、」
「そう、、、なんだ、、、」
「いや、そう言う意味じゃない」
「妹として、、、かなぁ、、、なんだろう
文化も価値観も違うのに頑張って馴染もうとしてる姿勢が、、、ね」
「、、、、」
「トオルにも言ったんだけど、俺、お子ちゃまなんだよ、、、誰かを好きって感情はあるけど、その後が無い、、、
中学からさおりが好きだった、、、
たぶん今も、、、でも、、
俺にはその先が無い、、、
それだけ、、、
だからこれだけは言わせて欲しい、、、
中学卒業前とこの間は、、、
ごめんなさい、、、」
俺はさおりに頭を下げた。
これで、さおりとの関係は終わる。
これで良い、これ以上彼女を
悲しませる必要はない、、、
そう思ったから、、、
「無理させてごめんなさい、、、
あと、話してくれてありがとう、、、
私、ソヨヒトが大人になるの待つね、、、」
さおりが、泣きながら俺の頭を
抱きしめていた。
なぜだろ、、、気がつくと俺も泣いていた。
さおり
それと無く、ファミレスの話をしたら、素直に彼女のことを話してくれた。
騙した格好になったけど、全てが繋がった。
中学の頃から、私はソヨヒトが好きだった。
ソヨヒトも、私を見ていてくれてると思った。
けど、ソヨヒトが私の手を取ってくれなかった。
一度はあきらめた、、、諦めきれなかった。
もう一度、ソヨヒトに、、、そう思った矢先だった、、、
「好きな人が出来た、、、応援して欲しい、、、」
ショックだった、、、けど、違和感を感じていた。
私が往生際が、悪いだけなのかとも思ったけど、その意味を今日知った。
嬉しかった。
彼はとても賢い人だ、自分を冷静的に客観視して見てる。
普通の人なら、自分事をそこまで評価出来ない。
進みたい意識と立ち止まりたい意志な狭間で葛藤をしている、、、それを素直に話してくれた、本当にすごい人だ。
彼が成長するまで私は待ちたい。
俺
どこまで話すか悩んだ、適当に言い繕うことも出来た。
けれど、やめた。
さおりが好きだ。
その気持ちは中学から変わらない
一人よがりだとわかっている。
けれど、心が成長しない、、、
なぜ人は人を求めるのだろう、、、
それがわからないから、
俺はいつまでも変わらないんだ、、、