冷たい義妹①
登校初日とあって、今日の授業はホームルームと、放課後の各委員会の会合だけ。
ホームルームは、今後の主だった行事日程の確認と、各委員会の選任となる。
この学校は、何かしらの委員会に、所属しなければならないルールがあり、お気楽な委員会は激戦区となる。
俺は運良く、比較的楽とされる図書委員になる事が出来た。
図書委員の良いとこは、基本シフト制
つまり図書室開放時間の、昼休みと放課後の、委員活動に自主参加する人が居れば、一年間を通して、ほぼ参加しなくてもOK
ただし、シフトが埋まらないときは、呼ばれる事もあるが、普段サボれるのだから文句も言えない、後は、月一の会合に参加するだけ。
各委員会も決まり、本日の授業であるホームルームが終わったので、図書委員会に出る為、図書室に向かった。
図書室に着くと、他学年他組の図書委員が席に着いていた。
どの世界も、真面目な生徒は、前の席に座る(先生の座る受付カウンターが前となる)不真面目な生徒が後ろに座る。
俺は当然不真面目なので、後ろに座るが、
上級生より後ろに座るな!
の、暗黙のルールがある為、上級生に嫌味を言われない絶妙な位置に座る。
図書委員会の全員が、揃うまで会合は開かれないので、俺は窓の外を眺めて考え事をしていた。
前の方で、ざわめきが聞こえたので、視線だけそっちに向けると、青い瞳の金髪ロングの美少女がこちらに向かって歩いていた。
青い瞳の金髪ロング美少女、、、いや面倒だ。
シルは、澄ました表情で、周囲に会釈をして、俺の後ろに座る。
周囲の男の視線を釘付けにすると、上級生の女子の嫉妬まがいの嫌味が聞こえる。
???
「ちょっと何?あの子?1年生なのに、こんな後ろまで来きて、、、△◯※✖︎、、、。」
と、本人に聞こえる声での、いびりが始まる。
そんな声に、居た堪れなくなった俺は、後ろに振り返り、
「1年生は前の席に座った方がいいぞ!」
と、小声で助言をする。
シル
「ご指摘ありがとうございます。けれど、どこに座るかは私の自由です。」
と、冷たく言われた、、、やっぱりシルさん俺に冷たくね?
親切を仇にされた俺は、外を眺めながら心を無にしていると、
「あいつなに勝手な事いってるんだよ」
と、周りの男の嫌味を言われることに、、、。
ソヨヒト
(なぜ、俺が男達に攻撃される、、、。)
全員揃って会合が始まり、先生のありがたい言葉の後に、委員長の選出が始まった。
先生が立候補者を募ると、後ろから可愛い声で、
シル
「はい!!立候補します。」
と、声が聞こえ、周囲からざわめきが起こる。
俺はその声に思わず振り返り、声の主であるシルと目が合うと、嫌な顔をされた、、、。
(なんで?、、、そんなに嫌い?)
シル以外の候補者も居て、多数決となったが、男性票を圧倒的にシルが獲得し、一年生委員長が爆誕した。
その後の、副委員長の選出がひどかった、、、。
俺以外の男子全員が立候補して、収集がつかなくなり、、、なぜかテンションの高くなったマチコ先生が、、、。
「ニューヨークに行きたいかぁ〜!」
と、訳のわからん掛け声で、男子達を煽り、大ジャンケン大会が模様され。
見事に勝利を勝ち取った、3年生のもやしくん(仮名)は、就任挨拶で、
「僕は幸せになります」
と、意味のわからん事を言って泣いていた、、、。
続く書記選出も、上記と同じ展開のため割愛。