虚無感
あれから一週間、、、
結局、なんの解決策も見出せず、誰かに相談することもなく、何よりも自分自身の気持ちの整理すらおぼつかない、
そんなうだうだとした週末を過ごし、憂鬱な月曜日を迎えた。
シズクも新学期初日以降、学校もバイトにも来ていない。
シルもさおりもシズクの事には一切触れず、普段と変わらない様に接してくれる。
シルはいつもと変わらず、俺にベタベタとしてイチャつこうとするし、さおりは下手なツンデレで俺にちょっかいを掛けてくる。
なぜだろ、、、それは救いでもあり、同時に苦痛とも感じていた、、、本当に俺は何がしたいのだろうか、、、。
せめてシルとさおりに落ち込んでいるところは、、、
そう思って気丈に振る舞っていたのだが、、、
正直、全ての関係を終わらせて楽になりたい、、、
そんな事を願うようになっていた。
さおり
「それでは各位の現在の進捗率を、、、」
ソヨヒト
「、、、、」
シル
「、、、ソヨヒト、、、ソヨヒト、、、」
ソヨヒト
「、、、あっ、、、ごめん、、、それでは報告します、、、」
俺の報告が終了後、シルの報告が終わり、、、
さおり
「各位の報告ありがとうございました。
少数精鋭で運営をしていたところに、白川会計の穴を埋める状態は、いつも以上に皆さんにはご負担をかけますが、今後もよろしくお願いします。」
さおりの総括で本日の生徒会は終了となった、、、。
俺がいつもの様に下校の準備をしていると、、、
シル
「ソヨヒト!!ちょっとさおね〜と話があるから、先に帰っててね!!」
シルは普段と変わらない優しい笑みでそう告げた、、、。
ソヨヒト
「、、、わかった!!それじゃ〜お先に!!」
二人に挨拶をして家路に着く、、、
何を考えているわけでもないが、なんともいえない虚無感を感じながら歩いていると、いつもの公園の前に、、、
寄り道をするかどうか悩んでいると、公園から私服姿のシズクが、、、
シズク
「こんにちわ!!ソヨヒト!!もう帰り?」
シズクは優しく俺に微笑んで言う、、、
俺はそれを見て思わず、、、
ああ、、、やっとわかった、、、なんで俺はこんなに馬鹿なんだ、、、もっと早くに気が付くべきだった、、、
あの時もこうしていれば、俺はこんなに悩まなかったのだろう、、、
俺はシズクを抱きしめて、初めてシズクが愛しい事を自覚した、、、。
シズク
「ソヨヒト、、、迷惑かけてごめんなさい、、、
報告したいことがあるの、、、」
シズクを抱きしめてからどれくらい経っただろうか、、、
時間にして1〜2分程度、それくらいだが俺はもっと長く抱きしめていた気がする。
失ったものを取り戻した、、、そんな気分だった。
けれど、そんな俺を現実に戻すかの様に、シズクがそう告げた。




