それぞれの思い②
さおり
私は中学生の頃からタダノ君が、、、好きだった。
何度も、何度も、タダノ君に思いを伝えようと頑張ったけど、恥ずかしさと怖さで自分のこころを演技して、、、誤魔化してきた。
私の最大の失敗は、、、、タダノ君への想いすら演技をしたこと、、、。
好きという感情すら演技して、タダノ君は友達と思うようにした。いつしか自分自身がわからなくなり、
最後は彼の友達を好きになる演技を演じてしまった、、、。
私の演技は3流だ、、、そのまま演じ切れば良かったのに、、、
トオルにキスを求められた時、全てが崩れた、、、
いや演じる事に疲れた。
トオルを好きになったのは本当、、、
だけど、、、
トオルとの素敵な思い出もたくさんある。
ただ、、、タダノ君に出会う前であれは、きっと違う形になっていた、、、私はこれからどうすればいいの、、、私は、、、。
ソヨヒト
オトンは天才だ天才だけど、、、
バカだ、、、、
中学3年の春、オトンは突然異世界に行って嫁を連れてくると言った、、、
それから半年後、オトンは異世界のゲートを作った、、、
さらに半年後、、、俺の中学卒業間近にオトンは異世界に嫁を探すために旅だった、、、
オトン、オトンには愛するオカンが
何いるのになんで?、、、
オトン、、、俺まだ思春期なんだよ、、、
大好きで尊敬してるオトンが、、、なんで?、、、
なんでだよオトン、、、!!
怖くなった、、、俺自身に、、、誰よりも、オトンに似ている、、誰よりもオトンの真似をしてきた、、、
なら、、、俺も、、、同じ事を、、、
オトンが旅立った日、、、オカンは泣いていた、、、。
その思いが、、、俺をあの時、あの場から逃げ出させた、、、。
俺は卑怯なやつだ、、、そして今も、あの時と同じ事をした。
気がついたら涙が出ていた、、、
思いが溢れ出てきた、、、
ずっと我慢していた思い、、、
だめだ、、、
誰か助けてくれ、、、。