サチとローネ
青いドレスを身に纏った見目麗しく、誰が見ても20代前半と勘違いする美貌の美女は、眼下に広がる夜景を眺めて故郷の夜空を思い出す。
ローネ
「不思議なものね、、、子供の頃に星空を上から見ていたいと思っていたけど、、、まさかねぇ〜」
30代半ばでも、それを感じさせない美貌とスタイル良さをキープしている赤いドレスの美女は、カンパリオレンジを口に含みそして、、、
サチ
「ふふっ、、、面白い表現ね!眼下に広がる星空ねぇ〜」
そう言いなら夜景を眺める。
ローネ
「でも残念ね、、、せっかくのクリスマスなのに、、、。」
ローネはバカラのカクテルグラスに入ったモヒートを煽り、珍しく不満を口にする、、、。
サチ
「諦めなさい、、、あの人そう言う人なのよ、、、」
サチもローネつられてカンパリオレンジを煽る。
クリスマスの夜に、二人の美女がなぜこんなところにいるのか?時は遡るほど1時間前、、、
三人はホテルのスイートルームで、ディナーを楽しんでいた。ノリヒトはいつにもなく上機嫌で、バカ話をして二人を喜ばせていたのだが、、、
ローネ
「本当にノリヒトさんは面白いわねぇ〜
今日は良い日ね!!」
ローネも普段飲まないワインでほろ酔い気分の上機嫌。
サチ
「ふふっ、、、でもやっぱり鋭いツッコミ役のソヨヒトが居ないとちょっと盛り上がりに欠けるわね!!」
ソヨヒトが居なくて少し寂しい気分のサチ。
ノリヒトもそんなサチを見て優しく微笑んでいたのだが、、、突然何かが閃いたのか、天井の一点を見つめて考え始める。
ローネ
「、、、あら?ノリヒトさん?」
サチ
「おとーさん、、、ノリヒトさん、、、
、、、あっ、、、これダメなやつだ、、、。」
サチは大きく肩を落とす、、、そして、、、
サチ
「よりによって、なんで今日なのよ〜」
サチは立ち上がりローネに向かって、、、
サチ
「ローネ!!ラウンジで飲み直しましょ!!
ノリヒトさん!!私たちラウンジ行くから終わったら来てね!!」
そうってローネを連れてラウンジまで、、、
時は戻って、、、
ローネ
「でも、サチは偉いわねぇ〜ノリヒトさんのことをちゃんと理解しているのねぇ、、、」
ノリヒトの悪い癖で突然なにを思い付くと、場所、時間、タイミングなど、一切関係なしに考察を始める。
早ければ1時間程、長ければ丸一日だ。
サチ
「もう慣れたわ〜でも最近あまりなかったんだけどねぇ〜」
サチはノリヒトを誰よりも理解して深く愛している。
ゆえに今回の様なケースの場合は、ノリヒトの邪魔にならない様にすることを徹底している。
ローネ
「ねぇ〜サチはなんでわたしとシルを受け入れてくれたの?シルはともかくハッキリ言ってわたしは邪魔じゃない?」
普段のローネなら絶対に口にしないこと、、、
けれど、ずっと彼女が気にしていたこと、、、
お酒の力もあって思わず言葉になった、、、。
サチは視線でウェイターを呼び、モヒートとカンパリオレンジを注文する。そして、、、
サチ
「そうねぇ〜貴女はわたしの最大のライバル、恋敵!!
でも、わたしの愛した人を理解出来るわたし以外の最大の理解者、協力者だからかなぁ、、、?
逆になんでローネはあの人なのよ〜」
サチはローネを一目見た時にわかった。
ローネがノリヒトを見る眼差しで、、、
彼女も深くノリヒトを愛していると。
ローネ
「そうねぇ〜やっぱり夫の生まれ変わりだからかなぁ〜」
ローネはそう言いながら元夫の言葉を思い出す、、、
きっと戻って来る、、、
サチ
「話しなさい!!あんたの旦那の話、、、退屈しのぎに
聞いてあげるわ!!」
サチはウェイターが持ってきた二つのグラスのうちの一つ、カンパリオレンジをローネに差し出す。
ローネはそれを一口含み、眼下に広がる夜景を見ながら話しだす、、、。
ご一読ありがとうございます。
今回はいつか書きたいと思っている
ローネとソイの恋の物語の冒頭として執筆しました。
現在、仕事が多忙を極めて、また3作品を執筆しているのでこれ以上は無理なので、異世界オトンの連載が終わったら執筆するかもです。
(ひょっとしたら異世界義妹で書くかも?)
その際は、是非ご一読よろしくお願い致します。
異世界転生希望者A




