特別企画!! わたしと変わり者の彼
彼のことは中学3年生になって、同じクラスになってから知った。正確にはテストで毎回ほぼ満点を叩き出す、目立たない物静なボサボサヘアーの男子、、、それくらいの認識だった。
わたしも勉強は頑張っていたので、1年生の時から彼が学年一位だと言うことは知っていたが、逆に言うとそれぐらいの認識しかなかった。
そもそも学力で一位になることを目指してなかった事もあり、同じクラスになってから初めて顔を知ったぐらいだ。わたしが目指していたのは華やかな演劇の世界、、、
一時は子役としてそこそこ人気もあったが、業界関係者からの嫌がらせに耐えきれなくなり、逃げるように演技の世界から姿を消した。
今は部活で演技をするだけで充分!!
そんな学校生活を過ごしてた初秋のある日、彼が昼休みに自席で、本を読んでいる姿が目に留まった。
昼休みに本を読む、、、一見普通のことだけど、わたしにはものすごい違和感を感じた、、、。
あれ、、、なんか読むスピードが尋常じゃ無いんだけど、、、あれじゃ〜まるで漫画読んでるみたい、、、
そしてその日の放課後、彼はクラスの掃除当番で一生懸命掃除をしていた、、、していた?
さおり
「多田野君、、、そこさっき別の男子が拭いていたよ」
彼は別の男子が一生懸命拭いていた場所を拭いている、、、
ソヨヒト
「、、、えっ!!そうなの?ありゃ〜これは失敬!!」
そう言って彼は汚れてない雑巾を洗いに行こうと、、、
さおり
「、、、その雑巾まだ綺麗だよね?」
わたしがそう言うと彼はすごい嫌そうな顔をして、、、
ソヨヒト
「、、、そうかなぁ〜?」
そう言いながら流し場に、、、それから彼が帰って来たのは掃除が終わってからだった、、、。
さおり
「多田野君、、、どこ行っていたの?」
わたしが尋ねると彼は面倒さそうな顔で、、、
ソヨヒト
「ちょっと担任に呼ばれてね!!」
彼がそう言うと、、、
担任の先生
「おお!!ここにいたのか多田野!!探したぞ、、、
すまんが掃除が終わったら職員室に来てくれ!!」
そう言って担任の先生がクラスを出ていく、、、
彼はわたしと目が合うと、、、
ソヨヒト
「なっ!呼ばれただろ!!さて職員室だ!!」
そう言って彼はクラスを出て行った、、、。
わたしは彼がクラスから出ていくのを見届けてから、
思わず笑い出してしまった!!
なんなのあの人、、、変わりすぎだよ!!
ふっと、彼が本を読んでいたことを思い出し、彼の机を漁る、、、机の中から数冊の小説が出て来て、彼が読んでいた小説をパラパラめくると、、、やっぱり漫画だ!!
ご一読ありがとうございます。
1周年と500話突破を記念しての特別企画、
ソヨヒトとさおりの出会いの物語です。
全3話程になると思います。
引き継ぎご一読よろしくお願い致します。
異世界転生希望者A




