三つ巴、、、再び
季節はすっかり秋から冬に変わろうとしている、、、
文化祭の準備も、いよいよ終盤となり慌ただしくなってきている。
生徒会は運営管理に徹底するので出し物はない、風紀委員会はいつものパトロールなので大変なのは開催期間だけ、そういう意味で一番忙しいのは図書委員会だろ、、、
シル
「それでは、臨時委員会にて裁決をとります!!
文化祭出し物に間に合わせるために、合宿を行うことに賛成の方は挙手を、出し物の規模を小さくするに賛成の方はそのままでお願いします。」
ソヨヒト
「、、、、」
ばっ、、、バカなぁ、、、なぜだ?俺以外全員手を上げている、、、。
シルはニヤリと笑い
シル
「賛成多数で本件は可決されました!!よって今週末合宿を実施します!!」
俺以外の皆の嬉しそうに騒いでいる、、、。
シル
「おほん!!みなさん静粛に!!
本件可決に伴い、学校及び生徒会に申請書の提出が必要です!!多田野先輩!!お手数ですが生徒会と職員室に顔が効くようなのでよろしくお願いします!!」
周囲で笑いが起きる、、、ヒソヒソと
あいついつも職員室呼び出されてるもんなぁ〜
そんな声もちらほらと、、、こいつ、、、俺で笑いを取りやがって、、、これが敗戦兵の末路か、、、
今回の臨時委員会は、図書委員会での出し物の進捗率の悪さから、誰かが週末合宿を提案したことから始まった、、、当然、俺は反対し代案として今から出来る手取り早い方法、出し物の規模の縮小を提案したのだが、、、結果はこの通り、、、
ソヨヒト
「、、、了解です。」
決まったからにはしょうがない、、、適当に書類作成して、、、職員室に、、、なんか訳のわからん教師に頑張れ!!と激励が、、、いやおまえが頑張れよ、、、
生徒会室で会長印をもらいに行くと、、、
さおりは難しい顔で書類を眺め、、、
さおり
「チッ!!やるわねあの子、、、多田野書記!!
もとい、多田野図書委員!!本件は生徒会として認められません!!」
ソヨヒト
「やったーー!!、、、おっと失礼、、、
会長!!認められない理由は、、、?」
そんなことよりもなぜお前は俺の名前に肩書きを付ける?
さおり
「そんなの、、、あの子ばっかりズルイでしょ、、、」
ソヨヒト
「、、、、」
さおり
「おほん!!生徒会としては校内の治安を危惧しております!!特にシル図書委員長は構内でも人気の生徒です、
ましては春のストーカー事件もありますので、、、」
素晴らしい!!実に素晴らしい!!それでいきましょう!!しょうがない!!そうするしかない!!
俺は潔くこの場を引きますね!!
ソヨヒト
「かしこまり、、、」
さおり
「ただし!!許可には一つ条件が!!」
さおりが俺の言葉を遮り、、、なんか言い出す、、、
ソヨヒト
「はぁ〜い、、、いえ!!納得しました別に、、、」
またまた俺の言葉を遮り、、、
さおり
「構内警備と治安の維持の為!!風紀委員会に出動を要請します!!
そして、風紀委員長として本件の要請を受理します!!」
さおりはとても素敵な笑顔で、、、ってちょいちょい待て!!
ソヨヒト
「いえいえ!!会長!!流石に風紀委員会にそんな迷惑を、、、、って聞けよ!!人の話を!!」
さおりは俺の話を無視してぽんぽんと印を押して俺に渡す、、、。
それを見ていたシズクが、、、
シズク
「それなら、やはり生徒会としても見守らなければなりませんねぇ、、、」
シズクは澄まし顔をしているが、のけ者にされたくない感が、、、さおりを牽制ですかな?
さおり
「チッ!!、、、そうですねぇ、、、本件に生徒会が関与しないわけには、、、白川先輩、、、わたしとシル副委員長は各委員会業務があるので、本件の生徒会業務をお願い出来ますか?」
おまっ!!あからさまに舌打ちしただろ!!
なに!!なにもなかった様にお願いしてる!!
シズクはニヤリ笑い、、、
シズク
「え〜会長お任せ下さい!!この白川会計、、、そして
多田野書記でしっかり遂行して見せます!!」
あっ!!その手があった!!
さおりは ハッ と、した表情で、、、にが虫を噛んだ様なぁ、、、そこまでか?
本校の委員会ルールには、全生徒が各委員会に入る決まりがあり、また重複することも認められている。
その性質上、各委員会の委員はその他の委員会で上位役員を兼務する場合は、上位役員が優先されるとされている、、、つまり俺の場合、図書委員はヒラだけど、生徒会は役員(最近書記になりました)なので、優先事項は生徒会となる、、、。
シルの場合は、図書委員長と生徒会副委員長なので、
図書委員長が優先され、さおりは風紀委員会、生徒会は共に長なので、どちらも優先される(好きな方が出来る)
シズクは澄まし顔で俺を見て、ニッコリと笑う、、、
まぁ〜生徒会でサボれるけど、、、居残り合宿はあるのねぇ、、、。




