さおりの曇りのち晴れ
目が覚めると、、、
さおり
「知らない天井だ、、、」
毎朝この言葉を言うのがわたしの日課!
かつて子役としてそれなりの人気もあり、演劇部のエースでもあったわたしは、そこそこの美貌(当社調べシル比較)の持ち主て、学力も学年2位!!
そしてあまり知られてないが実はオタクである!!
ソヨヒトみたいに公言をしていないだけで、隠しているつもりはないのだけど、、、
わたしの家はタワーマンションの中階層に住んでいるので、比較的裕福な方と思っていたけど、、、
日本屈指の財閥の娘、世界屈指の富豪、元王族、と、なんかわたしだけ一般市民で、、、なんかすいません。
両親は共働きで母はわたしの高校入学と同時に、念願の国際弁護士として、海外に拠点を移して頑張っている!!父は芸能系のアパレルフリーランスなので、色々と家を空けがち、、、本当!!2人とも不良両親なんだから!!
そんな事を考えながら朝の身支度をして、ひとり朝食をとって学校に向かう。
いつもの公園を曲がると、、、やっぱり今日もいた!!
片腕を変な感で広げてぎこちなく歩く変質者、、、わたしの恋人ソヨヒトだ!!
ソヨヒトの腕が変な形で広がってるのは、わたしの最大のライバル、超絶美少女のシルちゃんが腕を組んで歩いているからだ!!
元々わたしとソヨヒトは両思いだった、それなのに煮え切らないソヨヒトに痺れを切らして、無謀な賭けを、、、いえ、期待半分、諦め半分、、、
まぁ〜結局、その賭けに負けたけど、それでもソヨヒトを諦めきれず再起一点って思っていたら、、、
気が付けばシルちゃんにあのポジションを取られてしまった、、、。
色々あってシルちゃんの計らいで今は2番妻として、ソヨヒトのそばに入れるから良いんだけど、、、
はぁ〜こんなの厳格な母には絶対話せないよ〜
はたから見てもソヨヒトの歩く姿は変だ!!誰もいないのに隣にぶつぶつ言っている、、、
本当は知っている、、、ソヨヒトは誰よりもシルちゃんを大事にそして、、、
あっ!! ゴツン!! って良い音がした!!
見えないけどシルちゃんが、頭さすってるのがなんか見える、、、。
、、、シルちゃん?ソヨヒトに大事にされてるんだよねぇ、、、?
その後、シズねーが合流して仲良く登校、、、
良いなぁ〜皆んで登校出来て、、、。
学校付近になるとシズねーがそれとなくソヨヒトから離れ、ソヨヒトの変な歩き方も直っている。
わたしはいつもの様に早歩きでソヨヒトを追い抜きながら、、、
さおり
「おはよ、、、」
ソヨヒトの挨拶の返事を聞く事なくそそくさと通り過ぎる、、、あ〜なんでわたしだけ毎日こんなのなの!!
移動教室の時、それとなくソヨヒトの教室を見る、、、ソヨヒトはいつも主人公席で外を眺めている、、、かっこいい!!
教室が隣なのだから、休憩の合間にソヨヒトにチョッカイでも、、、そう思っているのだけど、、、
ううっ、、、わたしの黒歴史、、、ソヨヒトの隣にはいつも渡辺くん(元彼)が居るから、、、あ〜わたしはなんてバカなの、、、今思えば1年生の頃にそうやってソヨヒトにチヨッカイを出しに行って、渡辺くんと仲良くなった、、、。
お昼は友達と教室でお弁当を食べる、、、料理はそれなりに出来るけど、ソヨヒトには敵わない、、、頭良くて、運動が出来て、料理裁縫スキルが高いって、、、絶対!!わたしのお婿さんにするんだから!!
放課後はわたしの好きな時間!!風紀委員会室に顔を出した後、待ちに待った生徒会!!
わたしの出来る女アピールでソヨヒトをメロメロにするんだから!!そう意気込んで生徒会室に入ると、、、アレ?
さおり
「お疲れ様です!!シズク先輩、、、二人は?」
生徒会室に居たのはシズねーだけだった、、、。
シズク
「お疲れ様です会長!!ソヨヒト君は先生に呼び出されてる様です、、、シルちゃんは、、、多分見物?
それと例の件ですが、該当するのは3校となります。」
まったく!!せっかく生徒会でイチャイチャ出来ると思ったのに、、、あいつ何やってるのよ!!
さおり
「そうですか、、、」
シズク先輩から渡された資料に目を通していると、、、
シズク
「すいませんがこの後、所用がありまして、、、」
今日は何も無いから問題ないわね!!
さおり
「了解しました!!」
シズクは一礼して退室した、、、。
程なくしてLENEが届く、、、
ソヨヒト センコーに説教されてやる気
無くなったからサボる!!
後、シルは図書委員会に行くってよ
それじゃ!!さようなら〜!!
もう〜なんでこうなるのよ!!せっかく二人が居ないんだから、ソヨヒトと生徒会室でイチャイチャ出来たのに〜!!
はぁ〜今日は良いことない、、、わたしも帰って溜め込んだアニメ見よう、、、。
肩を落として帰り道を歩いている、、、
もっと素直になれば、ソヨヒトに優しくしてもらえるのかなぁ〜
そう思いながらため息をひとつ、、、
???
「そこの可愛いお嬢さん!!俺とお茶しない?」
ハァ〜またナンパだ、、、あれ?でも!!
わたしは笑顔で振り返り!!
さおり
「喜んで!!」
そこにはニカッと爽やかな笑顔の、わたしの大好きなソヨヒトがいた!!




