父帰還
食後の片付けを終えて自室に籠る。
明日の授業の予習と準をする為に、あれ?この本出したままだっけ?
シルは風呂に入っている、異世界でも風呂はあったようだが、こっちの世界と違い毎日は入らないのだと、以前その辺が気になってオトン聴いた事がある。
オトン
「いや!そうじゃ無いんだよ、まぁ確かに一部の人々は魔法が使えないから、そうなのかもしれないけど、基本魔法でなんでも出来る。
例えば水は環境にもよるが、飲料水とまでは行かないけど、それなりの衛生的な水も出来る。それを火の魔法で温めればお湯も出来る。でも最大の問題は治安だ!」
ソヨヒト
「たとえ魔法で風呂が沸かせても、丸腰でいるのは、危ないね〜そうだよなぁ〜
戦争してたんだもんなぁ〜」
カバンを整理しながらそんな事を考えていたら、声に出していた。
シルの世界と俺たちの世界は、根本的な考え方が違う、、、シルは良くこっちの世界に適合してるなぁ〜、、、いや〜無理してるのかなぁ?
オトンはその辺どう考えてたんだろ?
曲がりなりにも、向こう世界でローネさんと式まで上げて。
オトンとオカンとローネさんの正しい関係はこうなっている。
こっちの世界の正室はオカン。
籍も入れられないので、ローネさん一応他人となる。
向こうの世界は逆になり、ローネさんが正室となり、オカンは側室となるそうだ。
まぁ〜向こうの世界には書類上の契約は無いので、ローネさんとオカンの妻としての立場の担保は、周知の事実だけらし、、、。
そんなこと思っているとチャイム音が鳴る。
玄関開けると、、、、やっぱり、、、オトンだ
オトン
「ノリヒト、M、、、多田野?ただいま帰還であります〜!」
ノリヒト
「おう!ご苦労!下がってよし!」
そう言ってドアを閉める。
オカン
「ソヨヒト開けて、、、おとーさんベロベロで大変なのよ〜」
ちっ!オカン使うとは卑怯なり!!オトン三等兵
ソヨヒト
「はいはい、今開けるよ〜」
そう言ってドア開けると、オカンが倒れながら抱きついてきた、、、
ソヨヒト
(あんたの方が、ベロベロじゃねーかよ!)
ローネ
「ソヨヒト君ごめんね〜今、手伝うからね、、、」
頬を少し赤く染め色っぽさを増したローネさんが、オカンを抱えるの手伝ってくれる。
ソヨヒト
(やっぱりローネさんって美人だよなぁ〜)
オトン
「私も介護して〜ア、イ、シ、テ、ル、ソヨヒト、、、!!」
ダミ声の汚い中年が俺に抱き付いてきたせいで、よろめき壁に肩をぶつける、、、
ソヨヒト
「イッタ、、おら!、、、オトン、、、今はふざけるな!オカンが倒れるだろ!!」
シル
「お義父さん!おかえりなさい、、、
何してるのかしら?」
風呂上がりにその一部始終を見ていたのであろうシル姫様が、、、冷たい視線でオトンを見つめる。
ソヨヒト
(あの目線俺だけにするんじゃ無いんだぁ〜)
オトン
「お疲れ様です!!
シル様!!ただいま帰還致しました。」
シル
「、、、ご苦労様です、お下がりください。」
毅然とした態度でオトンに言う。
オトンも酔いが覚めたのか、
オトン
「はっ!御心のままに」
と、オトンらしく無いトーンで居間に入っていった。
ローネ
「シル〜!ノリヒトさんになんってこと言うの?」
笑いながらローネさんがシルに言う。
シル
「お母さんだって、お義父さんが、、、」
少し甘え口調で、顔をへの字にするシル。
ソヨヒト
「ありがとうシル!オトンにはいい薬だよ!後で俺もオトンにケリくれるから心配しないで、、、その前に明日オカンにシバかれるかなぁ?」
そう言いながらオカンを部屋に連れて行き、その後をローネさんとシルに任せた。
居間からいびきが聴こえる、、、オッサンは、放置しよう!風邪でも引いてしまえ。