シルの誕生日会第二部
オトンは空を見上げた後、俺の顔を見つめる。その顔は真剣そのものだ、、、。
オトン
「俺の勝手な意見だが、2人はいずれ向こうの世界に帰るべきと考えている、、、ただ、今はちょっと向こうの世界がゴタゴタしすぎている、、、だから少し時間が必要だ、、、それで、、、もし、、、いや、ごめんなんでもない、、、この話は忘れてくれ、、、」
そう言ってオトンは黙り込んだ、、、その後、俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でて風呂から出て行った、、、。
なんだろう、、、なんとなく言いたい事がわかったけど、オトンはそれを言葉にしなかった。
風呂から上がりに通りかかった遊戯コーナーをチラ見した時、、、あっ!!懐かしい〜昔読んだ漫画!!
思わず足を止めて漫画を手に取り、遊戯コーナーに置いてあるマッサージチェアーに座る、、、ありがたいことに無料マッサージチェアーだったので、マッサージをしながら読書にふける、、、
、、、、
、、、、
ふぅ〜実に面白い!!、、、やはり男は海洋ロマンだね!!
総帆開け〜!!タッキング!!
、、、あら?なんか視線が、、、
シル
「クスクス、、、夢中だったね!!」
おやおやこちらは異世界ロマンのシルさんじゃ、ありませんか、、、良くないですよ!!男のロマンを邪魔しちゃ!!
ソヨヒト
「やぁ!!シルも風呂上がり?」
浴衣姿のシルは髪を纏めているものの首しずが少し汗ばんでおり悩ましい色香を出していた、、、。
いくら遊戯コーナーがエアコン完備でも、夏の温泉はやはり熱い、シルは手でパタパタと煽いでいる。
シル
「うん部屋に戻ろうとしたらソヨヒトが居たから、、、ここで涼んでいたの?」
ここに座ってから5分のマッサージチェアーを4回稼働させたから約20分ほど経っているが、、、おそらく最後4回目の稼働の後、、、? いや、それとも完全隠蔽か?
ソヨヒト
「いや!俺は風呂上がりに水で体を冷やしたから湯当たりはしてないよ!!たまたま昔読んでた漫画を見つけたからついね!!」
そう言って立ち上がり自販機で水を買いシルに渡す。
ソヨヒト
「夏の温泉は気を付けないと湯当たりするからね!!」
シルはにっこりと笑いゴクゴクと喉を鳴らす、喉から水が流れる様が妙にいやらしく感じる、、、
シルがボトルの水を飲み干した後、2人で部屋に戻る。
ソヨヒト
「確かそろそろ夕飯だよなぁ〜オトンが俺らの部屋でみんな集まって食事をとるって言ってたよなぁ〜」
そう言いながら部屋のドアを開けると、、、
おおっ!!すげ〜料理〜!!
すでに夕飯の準備が出来ており、オトン達は席に座っていた。
オトン
「おおっ!!ソヨヒト、シルちゃん待ってたぞ!!
どうだ!!シルちゃん!!すごいだろ!!これが会席料理だぞ!!」
なんかやけにオトンのテンションが高いなぁ〜さっきの風呂であった人はもう、どこかに行ってしまったのだろう、、、。
オトンの右隣にオカンが座り、オトンの向かいにローネさんが座っている、、、この座席なら俺がオトンの隣か?
俺がそう思っていると、いや誰もがそう思っていたが、、、
シル
「にーさん私がお義父さんの隣でいい?」
そう言ってオトンの隣に座る、、、誰よりもオトンがビックリした顔してるなぁ〜
シルのお誕生日会夜の部が始まると、シルはオトンに酌をしていた、、、オトンはすごい嬉しそうに鼻の下を伸ばして喜んでいる、、、お前、、、向かいのローネさんに怒られろ!!そう思っていたが、ローネさんはすごく嬉しそうに笑っていた。
どうやら邪な考えは俺だけなんだ、、、オトンはシルのことを本当の娘の様に可愛がり、シルはオトンを本当の父親の様に慕っているのだろう、、、そう思うとなんとも微笑ましく思う。




