高級旅館
ソヨヒト
「うわー!!すげ〜景色良いね!!」
襖を開けて庭の枯山水を眺める、、、俺、自分でもわかるぐらいにうかれているな、、、縁側に座り庭を眺めていると、、、
シル
「なんかすごい綺麗だね、、、確か枯山水って言うんだっけ?」
隣の部屋から縁側を渡ってシルがやって来て俺の隣座る。
オトン
「元は中国の道教からの流れを汲んだ、禅とわびさびの心が、枯山水と溶け込んで特有の日本庭園として和という美意識となっているんだよ!」
確かに枯山水に風情を感じるのは日本特有の価値観だ、枯山水の質素とはかなさ、不完全さが、わびさびの精神であり、この国の四季の表現でもある、ゆえに人はこれに惹かれるのだろう、、、。
流石に座禅を組むことはなかったが、しばらく庭を眺めていた、、、気が付いたらオトンが居なくなっていたので、オカンの部屋にでも行ったのだろう、、、
シルは俺の隣に座って手を握り俺と庭を眺めている、、、シルの小指には俺があげたピンキーリングが輝いていた。
ソヨヒト
「さて!!魂の洗濯物も終わったから風呂でも行ってくるよ!!」
俺がそう言って立ち上がると、、、
シル
「あれ?ここって混浴だっけ?」
はい〜?何言っとる貴様は!!
ソヨヒト
「そんなわけでないだろ!!一人で行ってくるんだよ!!」
シルは悪そうな顔をして、、、
シル
「ここって大浴場の他に家族風呂、それに個室風呂もあるけど、なんなら一緒に入る?」
シルはいつもの調子でふざけたつもりだろうが、言った後にハッとして顔を赤くしている、、、。
愚かものめ!!近くにローネさんがいるんだぞ!!
しょがない、、、
ソヨヒト
「はいはい!!妹ちゃんがおにーちゃんの背中流してくれるなんて、オラ〜感動ですわ〜!!」
まぁ〜上手く茶化しただろ、、、俺はシルの頭をグチャっと撫でて大浴場に向かった、、、。
流石高級旅館だ!!広々とした檜の内湯に、周囲を竹林に囲まれた露天風呂!!
露天風呂に入りながら風に揺られる竹林がなんとも幻想的なこと、奥で鼻歌を歌ってる男性、、、オトンだ!!
ソヨヒト
「オトンも風呂来てたんだ」
オトンは頭に載せたタオルに手をやり顔を拭きながら、、、
オトン
「おっ!!ソヨヒトか〜!いい湯だな!!」
オトンの隣で湯船につかり、お昼の答え合わせの質問をする。
ソヨヒト
「オトンのシルのプレゼントって魔法の触媒?」
俺の言葉にオトンは苦笑いをしながら、、、
オトン
「バレたかぁ〜 良いかソヨヒト!!本来ならこの世界でそんなものは使わない方が良い、でも二人は元の世界で日常的に使っていた、、、それは本人も意識してしてないいぐらい当たり前にね!」
なんだ?オトンの話の意図がわからない、、、いや、もしかすると、、、
ソヨヒト
「それって二人には魔力的なもの発散が必要ってこと?」
オトンは俺を見ながら、、、
オトン
「ソヨヒトはどこまで魔法を理解している?」
俺はその言葉にシルから教わったことを、、、
ソヨヒト
「魔法は物質変換物質ってのが変換されて行使できる、、、その条件は媒介と詠唱と意思だってシルが、、、でもなんかしっくり来ないんだよ、、、物質変換物質ってのは理解出来るけど、それなら俺たちも魔法が使えるのでは?」
オトンはビックリした表情で、、、
オトン
「やっぱりお前賢いなぁ〜まさにその通りなんだよ、
俺は向こうの世界で何度か実験したが、部質変換物質を観測、認知すら出来ない、、、あくまでも仮説の域を出ない物質なんだ、、、そして向こうの世界の人たちは、それを意図なく行使出来る。
二人もこっちの世界では最初こそ苦戦していたが、媒体をを高性能にすれば意図も簡単に行使できる様になった、、、つまり、お前の言う魔力的ってものが、二人には自然と発生していると思われる、、、俺はそれが意思だと思っている、、、。」
なるほど!!オトンの言わんとする事が理解出来た、つまり、、、
ソヨヒト
「つまり意思という定義のエネルギーを、自ら生み出しているからそれを発散させる必要があると、、、」
オトン突然高笑いする、、、
オトン
「いや〜まいったね〜俺が一生懸命考えて導いた答えを
この短期間で、、、」
そう言ってオトンは空を見上げた、、、。




