二人だけの夕飯①
家に帰ってから俺は自室で本を読んでいた。
居間からテレビ音が聞こえるから、シルはテレビを見てるのだろ。
シルはこの世界に来てから、よくテレビ見ている。
当然あっちの世界にないからだと思うが、ニュースや情報番組が好きらしく、特に国営テレビの教育番組が好きだ。
最近はオトンの影響で、青いたぬきロボットアニメもよく見てる。
そういえばこの家ってなんとなく似てるようなぁ〜?
先週までは春休みだったのでのんびり出来たが、今週は色々バタバタと慌しい日々だった事もあり、ゆっくり本を読む事が幸せだと思えた。
俺の趣味は漫画と本だ、それ以外もあるけどこの二つが何よりも好きだ。
将来趣味で本でも書いてみようかなぁ?
オトンを書いたら面白そう!現実は小説よりも奇なり!!、、、。
ダメだ、、、オトンは書けない真実でもあれを書いたら俺が痛い子と思われる。
クソ!オトンの役立たず、、、!!
本を読みふけりながらそんな事を考えていたら、19時になるところだった。
テレビの音は聞こえる。
シルはまだテレビを見てるのだろ、、、下に降りる、シルはテーブルに頬杖を付きテレビを見てる。
テレビはニュース番組から、中年アイドルの無人島開拓に代わるところだった。
ソヨヒト
「シル?」
、、、返事が無い、、、テレビ観てるから話しかけるな?そんなところか?
よく見るとシルは寝ていた。
自分部屋に戻り毛布を持ってきてシルに掛けてやる。
そのまま台所の冷蔵庫と睨めっこ、壁の時計と睨めっこ自分の財布と睨めっこ、、、
三方を交互に何度も見つめるが何も起きない、、、。
ソヨヒト
「はぁ〜」
俺が自分の財布にため息を吐くと、
シル
「どうしたの?にーさん」
毛布で包まれたシルが立っていた。
ソヨヒト
「あーほらオトン帰ってこないしさ〜シルはお腹すいた?」
そう言って俺は冷蔵庫の中を見つめる。
シル
「空っぽだね、、、」
シルも冷蔵庫の中身を見てつぶやく。
ソヨヒト
「いや〜本当にウチって貧乏だよなぁ〜いつ見てもこの冷蔵庫空っぽだし〜シル、出前取るか?」
言葉の意味が理解出来なかったのか、シルはポカーンとしている。
ソヨヒト
「シル、お腹空いてない?ビザ好き?」
シルはじーと俺を見て、
シル
「すっ、好き、、、」
俺はそれをきいて、
ソヨヒト
「そう、好きか!良かった!なら今日の夕飯は出前にしよ!」
そう言って自分の部屋に置いてある、タブレットを取りに行く。
タブレットで宅配ピザを検索すると、、、
ソヨヒト
「よし!近くにあるなぁ〜!えっ〜と!」
階段を降りながらメニューを見ていると、、、ガタン!!ゴロン!!バコン!!グキ!!大きな音がした、慌てた様子でシルが近寄る、、、。
ソヨヒト
「いてて、、、あは、、、」
シルと目が合う、、、心配そうな目で俺を見る。
ソヨヒト
「階段を踏み外して転けた、、、。」
ソヨヒト
(あ〜はずいな〜こりゃ〜この後、冷たい視線を浴びるんだろうなぁ〜どうするんだよ!!そんな視線で俺が変な性癖がめざめたら!!)
そう思っていたら、、、
シル
「にーさん、、、大丈夫?」
俺は思わず、、、
ソヨヒト
「ええっ?」
それを聞いたシルも
シル
「えっ?」