異世界こぼれ話⑱ 詠唱と無詠唱
シル
「つまり!私は無詠唱で魔法が使えるから、上級魔法使いになるの!!」
ノリヒト
「へぇ〜すごいね!!ところでローネさんは?」
ローネ
「私は賢者と称されますね」
ノリヒト
「以前も聞きましたが、現段階でローネさんより高位の存在は?」
ローネ
「居ませんね、同等が数名程度だけかつてなら、、、私の元夫、、、つまりシルの父親ソルが、、、」
ローネはそう言って俺の顔を見る、、、俺に気を使っているのか?
シル
「大賢者だったんだよ!!すごいでしょ!!」
シルは父が誇らしいのか鼻高々に話す。
ノリヒト
「そうなんだ!!きっとシルちゃんも、偉大なお父さんとお母さんの血を受け継いているから、ゆくゆくは大賢者になるんだろうね!!」
なぜかそんなシルちゃんの姿を想像すると無性に嬉しくなる、、、やはり息子と歳が近いからだろうか?
シル
「うん!!見ててね!!ノリヒトさんが生きてるまでになってあげるね!!」
ノリヒト
「それは楽しみだね!!ところで、上級魔法使いと賢者と大賢者の違いはなんですか?」
ローネ
「明確な違いとして、無詠唱、術式、極大魔法です。」
ソヨヒト
「極大魔法?、、、つまりメドローア?」
ローネ
「、、、メドローア???
、、、はい?、シルのように無詠唱者は上級と言われ、私のように術式によって新たな魔法を作るものを賢者、そして極大魔法とされる術式による魔法の使用、または作り出すものを大賢者と、、、」
ソヨヒト
「その極大魔法とは?」
ローネ
「元夫、、、そのあの人から聞いた話しなので、正確には確か、、、大いなる意志と、願い、理の外、そして術式と詠唱だったかと、、、。」
ノリヒト
「意志、願い、理、術式、詠唱?、、、無詠唱ではダメなのですか?」
ローネ
「詠唱とは、魔法発動の簡略化みたいなもので、魔力を込めて唱えれば発動されるものなのですが、、、」
ローネは目を閉じて空中に小さな魔法陣展開して、、、
ローネ
「我願う、、、古より我らに流れる大いなる力よ、、、我が想いを、、、再び其方の元に我降臨せし、、、」
詠唱が終わると魔法陣は消え、そして何も起こらなかった。
ローネ
「ちょうどよかったわ、、、シル、これはあなたの父が私に一度だけ見せてくれた極大魔法です。」
シル
「これが、、、お父さんの、、、」
ローネ
「残念ながら私には発動させられません、、、いつもこの様に失敗します、、、おそらく詠唱が、、、あの時あの人も失敗したと、、、
でもあの人は光に包まれて、、、、!!」
感慨深く話していたローネが俺の顔を見る、、、そして笑みを浮かべる。
どうやら俺の元に嫁ぐと言っているのに、旦那さんに対する未練を申し訳ないと思ったのだろう、、、そんなの気にしてないのに、、、
そもそも、俺の元に来なくてもシルはしっかりと俺が守る、、、そう決めたし彼女達にもそう伝えた、だから俺の元に来なくてもいいと断りもいれた、、、でも、シルが心配なのだろう
ローネは頑なにそれを拒んで、俺の元とに来ると言う、、、まぁ〜向こうの世界に行けば、シルとローネの身に危険は無くなる、、、そうなれば、向こうで新たなる出逢いもあるだろう、、、。
ノリヒト
「今日はありがとうございました!!
また、なにかありましたら教えてくださいね!!」
シル
「うん!!任せてね!!」
ローネ
「はい!喜んで、それで、、、その、、、本日はもう帰られてしまうのですか?」
ノリヒト
「あっ!!すいません!!手土産ですね!!今日はこれ、、、!!」
ローネ
「いえ、、、そうでわなくて、、、今日は村に泊まっていけますの?、、、あら美味しそう!!せっかくだからシル!!いただきましょう!!」
シル
「わーい!!ノリヒトさんありがとう!
!」
うんうん!!やっぱり二人の笑顔はいいな!!