戦後のエルフ王国②
シル
「でも、話はそんなに簡単じゃ無かった、、、」
ローネは完全に行き詰まっていた、、、すでに自身の王としての器の無さを実感しており、あとはシルの幸せを一番と考えてくれていた。
けれど、旧エルフ王国の状況はどんどん悪い方に進む。
各地の有力貴族が痺れを切らして、小競り合い始める、、、初めこそ天人の介入を恐れていた将軍と貴族達だったが、天人は国外勢力に対しての介入はするが、国内情勢に対しては動く気配が一切無かった、、、ローネにとっては最悪のシナリオである。また、ローネは天人の詳細情報をつかめておらず、これを好機と捉えた将軍がついに動き出す。
将軍はエルフの森に進軍をする、、、名目は孤立した女王と王女の救援、、、。
そんな時に、再びノリヒトがエルフの村に姿を現す。
ローネはノリヒトを見るなり、鴨がネギ背負ってきたと喜んで捕える。
そしてノリヒトを投獄、、、その日の夜に密かにシルを連れて、ノリヒトに会いに行き交渉をした。
ソヨヒト
「なるほど、、、ローネさんはここでオトンにシルの救助を要請したのか!!」
シル
「違うよ!!お菓子を貰いに行ったの!!」
ソヨヒト
「、、、、?えっ?」
ローネ
「ノリヒトさん、、、なぜまたこの村にやって来てしまったのですか?まぁ〜起きてしまったことは、しょうがありません、、、その、、、ねぇ〜シル?」
シル
「ノリヒトさん!!私〜またあれ食べたいなぁ〜お願い!!」
ノリヒト
「まったく〜!!しょうがないなぁ〜!!
女王様ちょと失礼しますよ!!」
ノリヒトはイクウォッチで元の世界に戻り、しばらくして帰ってくる。
ノリヒト
「はい!!シルちゃん!!どーぞ!!」
シル
「わーい!!ノリヒトさん大好き!!」
ノリヒト
「くぅ〜シルちゃんのその笑顔おじさんも大好き!!それチョコパイだよ!!食べて食べて!!」
シルとローネは相変わらず、投獄したノリヒトの牢屋の扉を閉めることなく、お菓子に夢中になって食べている〜おそらく今の自分たちが置かれている立場すら忘れて、、、。
ソヨヒト
「、、、、おい!お前ら、、、」
シル
「えへへ〜!!だって向こうじゃあんなに美味しいお菓子無いんだよ!!」
ローネ
「ノリヒトさん!!美味しいお菓子ありがとうございます!!」
シル
「お母さん!クチ!クチ!チョコ!チョコ!」
ローネ
「えっ!!あらやだ!!ふきふき、、、おほん!!あらためてお礼を!!」
ノリヒト
「でしょ〜ね!!口にチョコつける女王様!!」
ローネ
「何かおっしゃいましたか?」
ノリヒト
「、、、それで?俺はいつまでここに居れば?」
ローネ
「そうですね〜とりあえず一週間は投獄させて頂きます。」
ノリヒト
「お前!ふざけるなよ!!」
ローネ
「嫌ならさっさとこの村から出て行ってください!!貴方にはそれがお出来になりますでしょ!!」
シル
「おっお母さん、、、良いの?」
ローネ
「シッ!!しょうがありません、、、時期にここも、、、。」
ノリヒト
「、、、、わかったよ!!いてやるよ!!
シルちゃん!!明日はケーキ持ってきてあげるね!!」
シル
「ケーキ?」
ノリヒト
「ふわふわてすごく甘くて美味しいよ〜!!」
シル
「やった!!ノリヒトさん大好き!!」
ローネ
「あの〜ノリヒトさん、、、私にも、、、」
ノリヒト
「ったく、、、この女王は、、、しょうがないから女王の分も持ってきますよ!!かわいいかわいいシルちゃんの分を取られたら困るからな!!」
ソヨヒト
「えっ!!オトンってローネさんにそんなに冷たかったの?」
シル
「まぁ〜二人は今はあんな感じだけど、そう考えると、ソヨヒトと似てるね!!守ろうと思う人にはすごく優しいところ!!
それ以外には冷たいところ」
ソヨヒト
「、、、つまりその当時のローネさんは庇護の対象外ってことか、、、。」
それから数日経った日。
ローネは慌てて、付き添いを連れてノリヒトの元に向かうそして自ら牢屋の鍵を外し、
ローネ
「天人様、、、度重なるご無礼心から謝罪致します。」
ノリヒト
「こんにちわシルちゃん!!ついでに女王様、、、なんで俺のことがわかった?」
ローネ
「先ほど、、、通信魔法で天人様の詳細をお聞きしました。
お部屋をご用意致しましので、こちらにお越しください。」
ノリヒト
「わかった、それとそこのアンタ!今直ぐに、あのバカ(将軍)にここの進軍をやめろと伝えてくれ!!俺を怒らすなよってね!!」
そこのアンタ
「はは、、、かしこまりました。」
ローネ
「あ、、、天人様ありがとうございます」
シル
「天人様ありがとう!!」
ノリヒト
「シルちゃん!!俺のことはノリヒトって呼んでね!!」
シル
「うん!!ノリヒトさん!!」




