戦後のエルフ王国①
テラスで星を見たあとの夜、、、。
ベットに入って電気を消す。
いつものようにシルは俺の背中に抱きつく、、、しばらくして
シル
「ソヨヒト、、、寝た?」
ソヨヒト
「いや〜どうしたシル?寝れないのか?」
シル
「うん、、、なんか向こうの世界のこと色々思い出して、、、ソヨヒトに聞いて欲しい話があるの、、、あのね、、、」
シルは俺の背中に抱きつきながら、向こうの世界ことを話し始めた。
シルのいた世界
シルはいつものように暇を持て余していた。
シル
「今日もすることないなぁ〜村から出ると、
じーやに怒られるし、年の近い子供もいないし〜!!しょうがない!!チビ達の相手をするか!!」
村の中心の広場に行くと、小さな子供達が遊んでいる。
チビ達
「あっ!!ねー姫!!あそぼ!!あそぼ!!」
シルの前に6人の子供達が近寄る。
年は皆10歳程度の子供達。
シル
「おはよ!!チビ達!!おい!男ども!!また胸触ったら、今度は丸こげにするからな!!」
シルは二人の男の子に指を差して忠告をする。
悪ガキ
「ねー姫!!俺らが悪いんじゃないよ!!ねー姫の胸が大きいから、当たっちゃうんだよ!!」
シル
「またそんなこと言って!!」
シルは無詠唱で火の玉を作る。
悪ガキ
「ぎゃ〜お転婆姫に殺される〜逃げろ〜!!」
シル
「よし!女ども〜かかれ!!」
シルは女の子4人を引き連れて悪ガキ2人を追いかけ回す、村の大人達には微笑ましい、いつもの光景に笑いながらその様子を温かく見守る。
ソヨヒト
「そんなことしてたの、、、」
シル
「だって、、、あいつら一丁前に揉んでくるんだよ!!」
ソヨヒト
「、、、、」
その日、珍しく侍女が慌ただしい様子でシルに走り寄り、
侍女
「シル様、女王様がお呼びです!!至急お越しください。」
シルは直感で緊急時と察して、子供達に家に帰ることを指示し別れを告げてローネの元に向かう。
ローネはシルを見るなり抱きつき泣く、、、
ローネ
「シル、、、終わりました、、、戦争が終わりました、、、あの人の仇敵、魔王は滅びました、、、」
シルはその言葉の意味を理解するのに時間がかかった、けれど、徐々に感情が溢れてきて、、、ローネの言葉にシルも涙を流し抱きしめる、、、国王(父)を失ってからの、辛く苦しい戦争は突然終わりを告げた。
その後、ローネは元エルフ王国の各拠点と通信魔法で連絡をとっていたが、情報が錯綜して正確な情報が掴めていなかった、唯一確かな情報は、魔王の死亡と、魔王軍の無条件降伏だった。
数日が経ちある程度正確な情報が入ってきた。
魔王を討伐したのは、天人と名乗る者が率いる連合軍で、ここより北東に約200キロ地点の荒野で、決戦が行われたとのこと、奇しくもかつて父が魔王に敗れた地だった。
それから数週間後、勇者とも救世主とも呼ばれる天人と、各国のリーダーと戦後の話し合いが行われてた、残念なことに旧エルフ王国に対しての参加要請は無かった、エルフ王国は滅亡として扱われていた。
この会議にて各国は旧エルフ王国の分割譲渡を要求したが、天人の反対で旧エルフ領は、天人預かり地となった。
不服を申した国もあったが天人が、
ノリヒト
「ほ〜う〜ならば我と争うと言うのだな、、、聞け愚王ども!!私利私欲を欲するならば、今すぐ貴様らを滅ぼしてその首すり替えてくれる!!」
天人のこの言葉に各国の王は恐怖した。
天人の逆鱗に触れた各国の王は、天人に謝罪を申し入れて事なきを得る。
現にこの会議が開かれる要因となった出来事は、天人が禁止した旧エルフ王国の侵略を、戦後の混乱のどさくさにおこなったエルフ王国の隣国に対して、天人は鉄翼の召喚獣でその国の王城を攻撃した。
天人の怒りに恐怖した人々は、その原因を作りし王に対して、一斉蜂起して国王を追放することとなった。
ソヨヒト
「ねぇ〜シル?このノリヒトって人、誰だっけ?俺会ったこと無いと思うんだけど、、、」
シル
「???、、、お義父さんだよ!!」
ソヨヒト
「、、、、キャラが崩壊してる、、、」
それからしばらくすると、隣国からの旧エルフ王国侵略阻止に一役買った将軍(ローネの弟)が次第に頭角を現し、日に日に力を増していく。
そして将軍は旧魔王残党勢力が支配していた王都、古都エルミネフトの奪還に成功をする。
しかし、その功績に反発する旧エルフ王国の貴族達は、次第に女王であるローネを軽視するかのように自治権を強めていった。
女王であるローネには知恵も力も権威すらなく、旧王都、古都エルミネフトを将軍(弟)に占拠され帰れずにいた。
けれど、ローネが古都エルミネフトに帰らなかった最大の理由は、古都エルミネフトを占拠する将軍が、名実ともに王位に就くためにシルとの政略結婚をせまることが明白だったから、すでに何通もの手紙がシル宛に届き、それはどれも愛を偽り権力を求める、将軍や旧有力貴族から求婚状だった。
ソヨヒト
「えっ、、、叔父さんから?」
シル
「そうだよ!!300歳過ぎのおっさんから!!
しかも、その人すでに正室いるから側室だよ!!まぁ〜流石に形式上は私が王女だから正室になるけど、、、でもそんなの嫌だよ〜!!けれど、あの頃はもう諦めてたんだ、、、そうすれば国が再建されると思ってたから、、、。」