シズクと図書館デート②
シズクに教えてもらったコーナーで本を探す。
シズクは主に恋愛小説を、愛読しているとのことまさに女子って感じだ!!
そんなわけでとある恋愛本を紹介された。
きっかけはまだ恋人になる前、デート中に漫画の話からラノベ、そして小説の話になっていった、本のタイトルは恋人達の予感。
俺は漫画とラノベは読むけど、小説は読んだこと無い、まぁ同タイトルの映画は知っていたが観たこともない。
シズク曰く、映画でも面白いけど俺の性格なら気に気楽に読める小説が良いとのこと。
シズクは漫画、ラノベ、小説となんでも読むとそうだ、偏見とこだわりがなく、自分が興味を持ったらなんでも手をだす、シズクの考えには共感が出来る。
ソヨヒト
「なるほどこれかぁ、、、」
本を手に取り閲覧室に向かう、すでに席にはシズクが座って読書をしている。
凛とした姿勢で本と向き合うシズクの姿は、まさに知的なお姉さんの印象にピッタリで、正直、遠い存在にすら感じる。
俺はそんなシズクの隣に座り、俺も本を読み始める。
夏休みの昼下がりの図書館には、夏の暑さから逃れる人で混んでおり、静寂とは少しかけ離れ人々の話し声が聞こえてくる。
けれど、本のストーリーに夢中なる俺には気になる程ではなかったが話を静止する為と思われる咳払いが度々聞こえた。
時間を忘れて読み入っていると、ふと気が付くと隣のシズクが頬杖して俺を見ていた、、、俺は小声で
ソヨヒト
「どうした?」
するとシズクはクスクスと笑いながら、
シズク
「ちょっと喉乾きません?一息入れましょ!!」
と、俺の手を引っ張って隣接するカフェコーナーに連れて行かれた。
カフェコーナーは図書館と繋がっており、本の持ち込みも可能、ただしカフェコーナーでの読書を禁止されている。
まぁ〜要するに読書の合間の雑談や水分補給、気分転換はここでして本を読むなら閲覧室に行けって事ですわ!!
自販機でコーヒーを2本買いカウンター席に座る。
シズク
「それで!!読み進めてどんな感じ?」
ソヨヒト
「そうだなぁ〜まだ途中だけどなかなか面白い考え方だよなぁ〜」
シズク
「そうでしょ!!なかなか考えさせられるよね!!」
ソヨヒト
「ところでなんでさっき俺のこと見てたの?」
ふとした疑問を素直にぶつける、シズクは
ふふふっと笑い、
シズク
「わたしやっぱりソヨヒトの、そういうところが好きなんだろうなぁ〜この年下鈍感系!!」
ソヨヒト
「年下鈍感系って、、、なんだよ!!話が繋がらないだろ!!」
シズク
「あ〜こりゃ〜シルちゃんもさおりさんも怒るわけだね!!しょうがない!!おねーさんが優しく教えてあげよう〜!!」
そこまで鈍感じゃない!!なんとなくわかるよ!!好きだからだろう!!そう思っていたら意外な言葉が出てきた、、、いや、正確にはその行為、、、好きの正確な理由なのかもしれない、、、。
シズク
「当然好きだから見惚れるってのは良くあることだよね!!でも、その中にも色んな感情があるのよ!!例えば、こっち見て!とか、いま何を考えてるのかな?どんな気持ちでいるのかなぁ?とか、あっ!こんなところにホクロが!!とか、横顔がかっこいいとか、目が綺麗とか、そんな感じで好きな理由を探していたりもするのよ!」
シズクの言いたいことは何となく理解出来る、、、でも、、、
シズク
「まぁ私が考えるに、ソヨヒトそういう部分が大きく欠落しているんだと思うの!!だから平気でさっきみたいなデリカシーのない質問をするわけ!!」
なんともバツが悪い、、、まぁ多少の自覚はあるが、、、
シズク
「でも安心してね!おねーさんがゆっくり教えていってあげるね!!」
シズクはそう言ってウインクをする、、、なんともかわいい、、、。
その後、閲覧室に戻り再び本を読む、シズクも他の恋愛本を読んでいる、心なしかさっきよりも俺との席を詰めているように感じる、、、イヤ、、、俺の心の距離がシズクとの距離を縮めたのかもしれない、俺はシズクとのこの不思議な空間に居心地の良さを感じていた。
結局、時間まで特に会話をすることも無く、各々の好きな本を読んでその日は終わった。