家庭教師①
ドアの開いた音がした、、、オトンだ!!あいつ誰もかまってくれなくなると、俺の部屋を漁りにくる、、、うざい、、今日はまだ寝る。
俺は無意識で布団に潜り込む。
ソヨヒト
(あれ?何もしてこない、、、?)
俺は恐る恐る布団から顔を出す、、、シルだ。
ソヨヒト
「シル?おはよう、どうした?」
眠い目を擦り尋ねる。
シルはうつむきながら。
シル
「あの、、、おはよ、、、約束、、、。」
あっ!今日は日曜日だ、、、。
ソヨヒト
「ごめん、いま起きる」
シルはドアノブに手をかけて。
シル
「わかった、よろしくにーさん」
そう言ってシルは部屋から出て行った。
俺らが通う学校の偏差値は高くない。
ギリギリ名の有る進学校と、言えるレベル
俺は私立の特待生狙いだったので、学力を2段階落とした高校に通っている。
そのおかげでさほど頑張らなくても、授業料免除の特待生がやっていってるが、シルは違い一般受験で入学してる。
シルは地頭も良く、元の世界ではかなり学力のある方に分類される。
けれど、こちらの世界となると、、、。
高校受験はオトンの見立てだと、合格ギリギリか少し足らないくらいだった。
本当合格出来て良かった。
そんな事もあり、日曜日は俺がシルの家庭教師となる事になった。
正確にはオトンに無理矢理任命させられた。
オトンはバカだけど、めちゃくちゃ頭が良い、苦学生で学校以外でろくに勉強が出来る環境ではないのに、物心ついた時から
本人は意識してなくても、常に学年1位、
俺とあまりに出来が違うので一度、勉強の秘訣を聞いたら、、、。
ソヨヒト
「授業中暇だから教科書全部覚えた」
これだよ、、、嫌だね〜天才って、、、。
話を戻そう。
オトンがどこからか手に入れた、10年間の過去問を紐解き、傾向と対策のみシルに教えた。
高校受験特化の家庭教師を約2ヶ月半したおかげで、晴れてシルは合格するが基礎学力が足りていないゆえに、、、
オトン
「後はよろしく!」
と、完全丸投げされ、春休みから家庭教師をしている。
ちなみに天才オトンの、勉強方法が気になったので、シルに確認したら、オトンが作ったテストを丸暗記する方法だったとか、、、。
本当に良く受かったよ、、、これオトンが読み外してら完全アウトだもんな、、、。
居間の時計は10時を過ぎていた、シルが俺の朝食を持ってきてくれる。
シル
「どうぞ、、、後、お義父さん達さっき出かけて、、、夕飯は外で済ませるって」
ソヨヒト
「ありがとう、あの不良中年め〜!」
ぶつぶつ言いながら、シルが用意してくれた朝食を食べる。
食べているうちに気がついたので尋ねる。
ソヨヒト
「これ?シルが用意したの?」
シル
「うん、、、お義母さんに頼まれた、、、美味しくなかった?」
俺はスクランブルエッグをスプーンですくい。
ソヨヒト
「ううん、とても美味しいよ」
と、答えて口に入れる。
なんだ、、、今日はやけにしおらい、、、耳もピクピクしてるし、、、逆に怖い、、、。
その後、居間で勉強を進める。
シルは真面目な子なので、俺の授業を真剣に聴いてくれ時折、、、。、
シル
「あれはこの事だったんだ、、、」
と、独り言を言う。
おそらく学校の授業の事だろう、気がつくと昼を過ぎていた。
ソヨヒト
「よし!昼飯にしよ!、なんか俺が作るから、リクエストある?」
シルは俺の顔をチラッと見て下を向き
シル
「できれば、、、甘いもの、、、」
と、耳をピクピクしながら言う。
「じゃ〜あたま使ってるから、パンケーキにするか?」
と、言うと
「うん」
と、耳も嬉しそうにピクピクと頷いた。