帰り道の話
雑談は多岐に渡り盛り上がったので、気がつけば21時を過ぎていた。
ソヨヒト
「シラカワ先輩、そろそろ帰られたほうが?」
そう言われてシラカワ先輩が高そうな腕時計を見る。
シラカワ先輩
「そうですね、、、とても楽しかったのに残念です、、、。」
そう言って立ち上がる。
ソヨヒト
「それじゃ〜家の近くまで送りますよ!シル!先に風呂入っといてくれ俺が遅かったら寝てていいからな!!」
シル
「は〜い!!了解!!」
シラカワ先輩
「、、、、」
マンションのエントランスを出てシラカワ先輩に尋ねる。
ソヨヒト
「シラカワ先輩はどちらに住まわれてますか?」
シラカワ先輩
「ふふ!ここから三駅ほど離れたところです。」
ソヨヒト
「それじゃ駅に向かいましょ!!」
シラカワ先輩
「はい!」
シラカワ先輩はいつものように歩きながらでも色んな話をする。家でもそうだったが、シラカワ先輩の話は多岐に渡り面白い!シルとさおりとも仲良く話をしていた。
電車に乗り、駅を降りてシラカワ先輩の家まで歩く。
シラカワ先輩
「それでですね!◯△⬜︎×だったんですよ!!本当にビックリしましたよ!!」
ソヨヒト
「はは!そんな事あったんですね!!」
シラカワ先輩
「ふふ!本当に大変でした〜」
そう言った後、珍しくシラカワ先輩が黙り込んだ、、、どうした?
シラカワ先輩
「その、、、詮索つもりはあまりないのですが」
ソヨヒト
(詮索はあまりなんだ、、、)
シラカワ先輩
「シルさんとさおりさんは、、、その、、、」
ソヨヒト
「そうです、、、二人は俺の恋人です、、、。」
シラカワ先輩
「やっぱりそうなんですね、、、いつ頃からですか?」
ソヨヒト
「シルはゴールデンウィーク後です。さおりはシラカワ先輩との最初のデートの後です。」
シラカワ先輩
「ソヨヒト君からですか?」
ソヨヒト
「まぁ〜結果的には、、、」
シラカワ先輩
「、、、なるほど押し切られたと。」
ソヨヒト
(鋭いな、、、。)
シラカワ先輩
「そうなると、、、当然ニ人の公認なんですよね、、、いや、むしろニ人に説得されてこの関係に、、、。」
ソヨヒト
(もはや俺の話を聞くじゃなく、勝手に正解を導き出している、、、、。)
シラカワ先輩
「正直に聞きます!ソヨヒト君は今の関係をどう思ってますか?」
ソヨヒト
「間違ってると思ってます。」
その言葉を聞いたシラカワ先輩の歩みが止まるそして、、、
シラカワ先輩
「つまり、この関係にソヨヒト君の意思はないと、、、」
ソヨヒト
「いえ、、、二人が好きなことは変わりません。
ただ、どっちかを選ぶこともありません。
二人にもそれを言ったらこんな関係になってしまいました、、、。」
シラカワ先輩
「なんとなく全体像が見えてきました。
つまり、シルさんに言い寄られて恋人になることに、その後さおりさんに言い寄られるも、シルさんとの関係があるから断る。
けれど、シルさんとさおりさんに説得されて二股関係になる。
ソヨヒト君としては、二人を傷つけないためにこの関係を了承してるけど、この関係は間違ってると思っているから、いずれは解消しようと思っている。
ただ二人が傷つかない方法での別れを考察中ってところですか?」
ソヨヒト
「そうですね、、、よく分かりましたね、、、結局、俺はクズなんですよ」
シラカワ先輩
「そうですか、、、ソヨヒト君は優しい人なんですね、、、」
ソヨヒト
「どうでしょう、、、、考えたことありません。」
シラカワ先輩
「さっきのソファーでの話ですが、さおりさんの隣に来てって要望をすんなり受け入れていました。
それは恋人のさおりさんを最大限に尊重している証拠です。」
シラカワ先輩はまた歩き出す。そして後ろを歩くソヨヒトに向かって振り返ると、、、
シラカワ先輩
「やはり、私も諦めきれません!!私も二人と同列に並べますか?」
ソヨヒト
「同列にですか?あまりおすすめしませんよ、、、。」
シラカワ先輩
「覚悟の上です。私も二人の気持ちがわかります。ソヨヒト君は絶対に一人を選ばない、諦めるのが正しいのは承知ですけれど諦められない、、、でもソヨヒト君なら望めば受け入れてくれる。それなら、、、」
ソヨヒト
「俺はまだシラカワ先輩を受け入れるとは、言ってませんよ!!」
シラカワ先輩
「ふふ!!そこは心配していません。
私がシルさんとさおりさんと仲良くなって、二人が受け入れてくれれば、ソヨヒト君は必ず私を受け入れます!!」
ソヨヒト
「なんとも、、、自信があるのですか?」
シラカワ先輩
「どうでしょ〜でもそれをしないと私の恋は詰みますので、、、。」
そんな話をしていたら、シラカワ先輩の家の近くに着いた。
シラカワ先輩
「今日はありがとうございました!!とても楽しかったです!!」
ソヨヒト
「いえいえ!シルとさおりも楽しんでいましたし、もちろん俺も楽しかったです!!」
シラカワ先輩
「それじゃ〜近々デートしましょうね!!
バイバイソヨヒト!!」
そう言っシラカワ先輩は帰って行った。