最近のバイト
バイトに戻ってから1時間程経過した18時頃店長から檄が飛ぶ。
店長
「さぁ〜いよいよ本日1番忙しくなる時間帯だ!!厨房チーム!!パスタは存分に用意しとけよ!!
シルちゃんさおりちゃん!!面倒な客だったら速やかに退避してね!また客同士で揉めるからね!」
シル×さおり
「はぁ〜い!!」
以前は暇だった店も、シルとさおりの2枚看板のせいで地域一位の人気店に、、、(まったく)
最初こそ二人を組ませて、全面に出した戦略を展開していた店長だが、あまりの客の過熱振りに店がパンクすることしばし、、、
(当初暇な日は二人を窓側の席に座らせて、客寄せパンダにしていたぐらいだったのに、、、)
今では二人が組むことが週一あるかないか程、、、ゆえに二人シフトが重なる日は、常連客にとってSS DAYとされ(シルとさおりの日)なぜか秘匿とされるSS DAYのバイトシフトが、一部の常連客にリークされ拡散されるとのことだ。
店の売り上げもシルとさおりの加入のおかげで、以前の3倍〜4倍という驚愕の数字を叩き出している。
店長はしがない一店長だったのに、このまま店を維持できれば、来年にはエリアマネージャーのイスに座れるとか座れないとか、、、まぁ〜そんな具合で、気がつけばシルとさおりの時給は俺よりも500円以上上な訳で、、、ひどい、、、なんで実力主義の店、、、まあ〜店長も二人を手放したくないんだろうねぇ〜
ふっふふ!!しかし!愚かな店長よ!我の存在無くしては、二人がこの店に居る意味を失うのだ!!そうだよね!シルちゃん?俺が居るからだよね!さおり?
まぁ〜そんなバカなことを考えながら一生懸命働いてると、、、案の定〜フロアーでいい争いの声が、、、
ナンパする客
「なんだよお前ら!俺はこの子話してるんだよ!!」
常連客
「シルちゃん!!ここはいいから他のお客さんをお願いね!」
シル
「吉田さんありがとう!!」
そう言ってシルはフロアーから出る。
吉田(常連客)
「おい!新入り!!ちょっとこっち来いや〜この店のルールを教えてやる!!」
そう言って吉田一派?が、新入り客を外に連れ出す、、、。
しばらくして帰ってきたナンパ客は、お行儀良くスパゲッティ大盛りとコーヒーを注文していた。
シル
「吉田さん〜!!さっきはありがとう!!
店長がこれサービスだって!!」
そう言ってシルがカフェラテを差し出す。
吉田(常連客)
「いいってことよ!!シルちゃんとさおりちゃんに、なんかあったらいつでも言ってくれよ!!」
いい歳のおっさんが照れながら話す。
ちなみにこのおっさんは、こう見えて警視庁の警部補とのこと、ピチピチの女子高生目当てに店に通う警察官って、、、大丈夫か?この国の行政機関は、、、そんなことを考えながら、先ほどのトラブルで回らなくなった、フロアーのヘルプ対応で、吉田のおっさんの近くのテーブルを拭いている、そんな俺の元にシルが近寄って来て、
シル
「ありがとうございます!多田野さん!!」
そう言ってカウンターに戻っていった。
別のテーブルの片付けをしていると、
さおり
「珍しいね〜ソヨヒトがフロアーのヘルプなんて?」
ソヨヒト
「ふん!いいんだよ!それよりもおしゃべりしないで働け!働け!」
さおり
「ふふ!ソヨヒト先輩に怒られちゃった〜!!」
そう言って笑いながら客の注文を取りに行く。
ソヨヒト
(さて、、、そろそろ厨房に戻らないと、あ〜注文の山なんだろうなぁ〜もう辞めたい)
そんなことを思いながら、多忙を極める地獄のSSDAYをこなしていった。




