マッチポンプ?
ソヨヒトは再びなべを火にかける。
ミルクが沸騰する直前に火を止めて、シナモンとハチミツを入れてかき混ぜる。
ソヨヒト
「味見!味見!うん!うまい!!けど、、、やっぱり頬がジンジンする、、、。」
お盆にミルクの入ったマグカップを3つ乗せ、ソファーに向かう、、、当然二人は警戒して、胸を腕で隠している、、、。
ソヨヒト
「ホットミルク出来たよ〜」
ソファーのテーブルに置く。
二人はソファーの隅でソヨヒトを睨み警戒している。
ソヨヒトは二人の座るソファーとは別のソファーに座り、ホットミルクをすすりながらTVを観る。
さおり
「あんた、、、なに、さも何もなかったかの様な態度とっているよの!!」
さおりはそう言いながら、ホットミルクを手に取り一口。
ソヨヒト
「あ〜その節はご馳走様、、、。」
ソヨヒトは悪びる様子もなく、ぶっきらぼうな態度をとる。
さおり
「ちょっと!あんたね!!どう言う神経してるの?」
ソヨヒト
「、、、なにが?元々挑発したのはそっちだろ?」
ソヨヒトはあからさまに不機嫌な態度で、さおりを見ないで言う。
さおりが何かを言おうとした時に、シルが小声でさおりに
シル
「やめなさおね〜、にーさん怒ってる、、、。」
そう言ってシルは立ち上がり、ホットミルクを持ってソヨヒトの隣に座る。
自分でピンタをお見舞した頬を手で撫でながら、、、
シル
「さおね〜遠慮なく叩くから〜こんなに腫れてるよ〜」
ソヨヒト
「、、、、」
ソヨヒト
(いや〜そっちはお前が引っ叩いた方だけど、、、)
シル
「ごめんね〜にーさん、、、怒ってる?
、、、怒っちゃいやだよ〜!!」
ソヨヒトは隣に座るシルを見ないでTV観ながら、、、
ソヨヒト
「まぁ〜少し腹たった、、、。」
シルはソヨヒトが作ったホットミルクを飲みながら、
シル
「ソヨヒト、、、ホットミルク美味しいね!いつもありがとう!!」
そう言われて思わずニヤけたソヨヒトは、シルの方に振り向いて、
ソヨヒト
「どういたしましてシル!!」
シル
「うん!ソヨヒト機嫌なおったね!!」
そう言いながらシルスマイルをする。
ソヨヒトはその笑顔見てほっこりしている。
シルは今度はさおりの方を見て
シル
「はい!次はさおね〜の番だよ!!」
そう言ってシルは立ち上がりソヨヒトの反側に座る。
さおりはシルの行動に完全な敗北感を味わっていた。
確かにソヨヒトの行動は許し難いものだったが、散々挑発をしたのは自分達、、、シルはその事を理解して、ソヨヒトの気持ちに寄り添っていた、、、。
先ほど座っていたシルの場所にさおりが座る。
さおり
「、、、ソヨヒトごめんなさい、、、
わたし身勝手だった、、、。」
ソヨヒトは深くため息を吐いて、
ソヨヒト
「まぁ〜わかってくれれば、、、
何よりです、、、。」
ソヨヒトはまださおりの態度に納得していないのか、さおりの顔をお見ない、、、さおりは振り向いてくれないソヨヒトの態度にしょんぼりしている、、、それに気がついたシルは、ソヨヒトのほっぺをつねり、、、
シル
「もう〜ソヨヒト!!いつまでむくれてるの?
言っとくけど、女の子はね!自分でそういう事をするのは怖くないけど、たとえ好きな人にでも、そういうことされるのは、すごく怖いんだからね!!だから少しはさおねーのことわかってあげて!!」
ソヨヒト
「、、、、」
ソヨヒト
(イヤイヤなんか色々さおりのせいにしてるけど、、、シルも一発お見舞いさせたよな!しかも、さおりより遥かに痛かったよ!)
ソヨヒトはシルの顔を見る。シルはにっこりとシルスマイルをしている、、、。
ソヨヒト
「、、、心配してくれてありがとうシル、、、。」
そしてソヨヒトは、シルとさおりを交互に見て、
「シル、さおりデリカシーないことしてごめんなさい」
それを聞いたさおりは、ソヨヒトの肩に寄りかかり、
さおり
「わたしこそ、、、ごめんなさい」
その様子に満足げにうんうんとうなずくシル、、、。
ソヨヒト×さおり
(これって結局、シルのマッチポンプでわ?)
そう思いながらも、シルが場を上手く納めてくれたので一応納得する二人だった。