モデルアルバイト④
シル
「にーさんちゃとドアの前居る?
帰っちゃ、やだよ〜」
シルが涙声で言う。
ソヨヒト
「あ、、、ちゃんと居るよもう怒ってないし勝手に帰らないよ」
これで、この問答は3回目になる、、、。
シルとさおりに散々コケにされ、我慢の限界を超えた俺は、帰ろうとスタジオ後にした。
言い合いをしていて、異変に気が付くのに遅れたシルが、泣きながら追っかけてきた。
その後は、まぁ〜シルとさおりの衣装の着替えの為の、楽屋に連れて行かれ、ドアの前で待たされている。
さおり
「ソヨヒト本当にごめなさい、、、調子に乗りました、、、。」
俺の帰宅行為と、シルが泣く光景に、言葉を失って無言だったさおりが、ドア越しに声をかけてきた。
ソヨヒト
「もう気にしてないよさおり、、、。」
シル
「そうだよさおねー、ちゃんと謝っよ!さおねーが、調子に乗るから、にーさん怒っちゃたんだよ!言っとくけど、私はにーさんに怒られたこと無いんだよ〜!」
ソヨヒト
(こらこらまたそこで揉めるな、、、後、ちゃんと怒ったことあるぞ!まぁ〜シルにそんな意識が無かったって事か、、、。)
あの日、俺のベットで漫画読みながら、話を聞いていたのか?聞いていなかったのか?
それはそうと、珍しくさおりが、言い返してこない。
ソヨヒト
「シル、、、もうその辺にしよう!
俺からも二人に謝るよ!ちょっと大人気なかった、、、ごめんなさい」
俺がそう言うと、ドアが突然開き、泣き顔のさおりが、抱きついてきた、、、。
突然の行動に、、、パニックなりながらも、
ソヨヒト
「どうした?さおり大丈夫か?」
さおり
「本当にごめんなさい、、、。」
さおりは声を出さずに、しくしく泣いていた。
俺は、そんなさおりの頭を撫でた。
さおり
「ソヨヒト、お父さんからお疲れ様会の、お金貰ってるから夕飯食べて帰ろ〜」
すっかり元気になったさおりは、そう言いながら俺の腕を抱き付き歩く。
シル
「ちょっと、、、さおねーさっきからずうざうしいよ!わたしのにーさんなんだから、、、。」
そう言って、シルも俺の腕を抱きながら歩く。
ソヨヒト
(わぁ〜両手におっ、、、華だ〜あの日の再来だ〜!!これが山あり谷ありだね!!)
さおり
「ふん〜だ!!シルちゃんにはソヨヒトあげないから!」
シル
「もう〜何言ってるの?さおねー!にーさんはすでに、わ、た、し、の、ものです!」
ソヨヒト
「あはは、、、お前ら、これ以上揉めると、、、俺帰るよ、、、。」
俺がポツリと呟く、、、。
さおり
「そうね!シルちゃん!この話は今度にしましょう!今は仲良く二人で分け合いましょう!」
シル
「そうだね!さおねー!にーさん私たち揉めて無いよ!!」
ソヨヒト
(よしよし!これで世界は平和になった!)
ソヨヒト
「それで?二人は何が食べたいんだ?流石に、俺も昼食ってないからペコペコだよ〜」
さおり
「そうね〜そうだ!焼肉にする?この近くに、 良い食べ放題の焼肉屋があるんだよね!」
さおりが提案する、、、。
シル
「おにきゅ〜!食べる!」
嬉しさのあまりか、ちゃんと喋れてないシル。
ソヨヒト
「まぁ腹ペコだから丁度良いかもな?この時間なら空いてるだろ!」
そう言ってさおりのオススメのお店に向かう。