オトンの誕生日、、、前夜⑤
「おとーさん!そう言うところですよ!
確かに、おとーさんは頭が良くて、カッコよくて、背も高いし、優しいし、包容力もあって、ハンサムで、賢く、、、。」
「おい!オカン、、、話がそれてるって言うか、、、惚気か?惚気なのか?
あと、頭が良いと、賢い、カッコいいと、ハンサムは同じだからな!」
思わず突っ込むソヨヒト、、、。
「オホンっ!そう言うわけで、携帯電話は
携帯するだけじゃ無くて、ちゃんと電源を入れましょう!!」
オトンがスマホの電源を、切っていたので、二人の連絡が届かなかった。
その事を、オカン怒られることになるが、オカンの説教が、締まりのないものとなってしまった。
ともあれ、家族が全員揃ったので、夕飯となる。
オトンはいつもの様に悪ふざけで、ぶた肉の小骨が喉に刺さったとか、この野菜は脂が乗って美味いとか言って、上機嫌で夕飯を食る。
オカンとローネが、そんなオトンのボケに付き合って笑う。
シルはソヨヒトに、満遍の笑みでトンカツをおねだりし、ソヨヒトは苦笑いをしながらも、シルにトンカツをあげる。
そんなごくありふれた日常に、オトンは幸せを感じていた。
夕食後、家族は散り散りになる事に、オトンは一抹の不安を感じていた。
(誰も明日の誕生日、触れてくれなかったけど、、、大丈夫だよね、、、?)
不安になったオトンは、寝る前にオカンに、
「おかーさん!明日は何おしようかね?」
と、白々しく振ってみる。
「明日は、特に予定はありませんね〜」
「、、、あはは、、、そうだねぇ、、、」
オトン意気消沈で、押し入れに入って行った。