オトンの誕生日、、、前夜②
オトンはしょぼくれながら、新聞を読むフリをする。
チラチラとオカン見て、機嫌の様子を伺い、、、
(あ〜これダメだ、、、ご立腹ですな!)
そう悟ったオトンは、家の雰囲気を変えるために、、、。
「しかし〜なんだ、こう天気が悪いと、、、嫌になるなぁ〜!
かーさん明日あたり、こうパァ〜っと焼肉でもどうだ?、、、ローネさんもシルちゃん好きだし〜!、、、なぁ〜ソヨヒト、、、?」
「、、、、」
沈黙を保つオカン
「、、、、」
「、、、、」
特にコメント入れずに、笑み浮かべるだけのローネと、凛とした姿勢でお茶をすするシル。
「、、、まぁ良いんじゃ無い?平日だけど、俺もシルもバイト無いから、、、」
(くぅ〜さすが我が息子!お前にもシカトされたらパパ泣いちゃうとこだったよ〜)
「ダメです、、、もう明日の献立は決まっているの、、、おとーさんみたいに暇じゃ無いから、色々考えているの、、、わかる?」
どうやら今日のオカンは、本当にご立腹の様だ、、、さらに墓穴を掘って気まずい雰囲気を作ったオトンは、
「あっ、大谷今日も打ったんだ〜へぇ〜、、、なに?○×△◻︎、、、」
と、普段読みもしないスポーツ記事を、、、
ある意味可愛い男である。
「ごっそさま、、、行ってきます。」
こう言う時のソヨヒトは早い、要領のいい男だけあって、バツが悪い雰囲気は、直ぐに逃げる
「あっ!にーさんまって、、、私も、、、ご馳走様行ってきます、、、。」
そう言って、ソヨヒトをダシにシルも逃げる。
ノリヒトの隣に居たはずのローネさんは、二人のお茶碗持って台所に、、、
居間には不機嫌に、ご飯を食べるオカンと、いろんな意味で、ド天才のオトン、、、
「かっ、かっ、、、」
「なんですか?おとーさんカラスじゃあるまいし、、、」
「ごめんなさい、、、」
「ふふふ、もう、、、怒ってませんよ、、、」
「あっ、ははは、、、」
「ふふふ、、、」
なんだかんだ仲のいい夫婦である。