家族旅行?①
「さて、この後は〜、、、」
と、オトンが言いかけると、オカンが、、、
「じゃ〜これからおとーさんとデートして来るから!」
と、言ってオトンを連れて行ってしまった、、、なんだ?
シルとローネさんはキョトンしている、、、
うーんどうしたものか?せっかくだから親子水入らずしてあげよう〜!そう思い、二人に声をかけようとすると、
「じゃ〜私もたまには一人で出歩いてみようかしら?、ソヨヒトさんシルお願い出来る?」
唖然とする俺に、
「お母さん行ってらっしゃ〜い!!」
と、平然と手を振るシル、、、そして、
「じゃ〜にーさんデートの続きしよ!!」
と、俺の手を引っ張るシル、、、これって家族旅行だったよね?
「たっく!うちの親どもは、どんだけ自由人だよ〜」
と、俺が愚痴をこぼすと、
「ふふ、にーさんがそれ言う?さっき私となにしてたのかなぁ〜?」
「ハハ、、、確かに文句言えないな!
けど、この展開なら、さっきのは意味無くなっちゃったな!」
するとシルが俺の方を向き笑顔で、
「意味なくなんかないよ〜すごく楽しかった、ドキドキした!」
そう言って、
「あっ!あれにーさん、、、」
と、手を引っ張られ、連れ回された。
(そろそろ、合流を考えないとなぁ〜)
そんな事を思っていると、シルが
「にーさんあのお店入ろうと」
と、言ってきた。
店の中を散策していると、
「これすごくきれい、、、ステキ、、、」
と、よほど気に入ったのか、腕輪のガラス細工を見ていた。
「きれいだね、買わないの?」
俺はそう尋ねると、
「う〜ん、、、でも、、、」
なんとも歯切れの悪い返事が、、、
オトンからカード貰ってるから買えるんだけどなぁ〜遠慮しているのかなぁ?
「じゃ〜買ってあげようか?」
シルはびっくりした様な表情で、
「えっ、、、でも、、、」
「じゃ〜これは俺からのお礼のしるしってのは?」
「お礼?しるし?」
そう言って首傾けるかわいい生き物
「うん!今日シルが一番最初にお祝いの言葉をくれたでしょ?だから、そのお礼!、、、
貰ってくれる?シル、、、」
そう言うと、目をうるわせながら笑顔で、
「うん!!」
(はい!今日一番な笑顔貰いました!!)
結局、シルのご希望で、俺の分まで買うことに、、、、とほほ
シルは俺とお揃いの腕輪を眺めて目をキラキラと輝かせて、
「にーさんとのしるし、、、」
と、言って、笑顔で笑っていた。
(気に入ってもらえて何よりです。)