小樽散策②
オルゴール堂を後にして、堺町本通りを歩く、
途中、ガラス工房に立ち寄り、中の商品を見る
切子グラス、ぐい呑み、アクセサリー、等が販売されている。
「欲しいものがあったら言ってね!何でも買ってあげるよ〜」
そんな事を、オルゴール堂でもオトンは言っていたけど、今日のオトンは、気持ち悪いぐらいに普通だ。
女性陣は意外と物欲がないのか、
「これ綺麗、、かわいい、、素敵、、」
と、言う割には購入に至らない。
数件ガラス工房のお店を渡り、少し疲れたので、古民家喫茶店で一休み、
俺とオトンが、コーヒー、オカンが紅茶、
シルとローネさんはアイスクリーム
「ローネとシルちゃんは、甘いものが好きね」
オカンがそうつぶやくと、ローネさんが
「ここ(この世界)の甘いものは、本当に美味しいわね〜ついつい、手が出ちゃうの〜よね!シル!」
と、二人で頷いていた。
オトンに聞いた話だと、向こうの世界では、甘いものは極端に少ない、理由はやはり戦争が影響している。
砂糖の精製技術があっても、その恩恵にあやかれるのは、一部の王侯貴族だけ、特にエルフに至っては、国の崩壊の危機とあって、王族でもそんな余裕が無かったとか、、、
オトン曰く、勘違いで投獄された時、偶然牢屋に尋ねてきた少女と仲良くなり、非常食として持ち歩いていた、チョコレートをあげたところ、たちまち解放されたとか、、、代わりに、身包み(チョコ)は、剥がされることになったそうだけど、、、シルとローネさんを見ると、エルフ甘いものが好きなんだろう!
シルとローネさんが二人並ぶと本当に姉妹の様に見える、、、物語から飛び出してきた様な美貌の持ち主だけあって、アイスを食べてる姿さえも、綺麗としか表現出来ない。
再び、小樽の街をプラプラ歩く、流石にゴールデンウィークだけあって、通りは人で溢れていた。
俺とシルは自然と手を繋いでいた。
前を歩くオトンも、よく見るとオカンと、ローネさんと手を繋ぎ歩いている。
シルは笑顔で俺に、
「デート楽しいね!後、アイス美味しかったよ」
と、さっきまでの大人びたシルでは無く、
無邪気な少女の様なかわいいシル変わっていた。