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孤児院へ神父さんを送ったソル達は、リヤンに墓荒らしと幽霊騒動について話した。
神父さんもリヤンの両親が訪ねてきた時にリヤンに会わせず帰らせてしまったことを謝った。
リヤンだって神父さんが自分を思ってのことだとわかっているだろう。
リヤンは笑顔で神父さんにお礼を伝えた。
その顔は晴れやかでリヤンの両親によく似た優しい笑顔だった。
植物園に戻ると、レオンが出かけるところだった。
「おかえり。ちょっとルーナに挨拶してくるね。」
どうやらルーナたちのお墓参りに行くようだ。
ソル達は植物園で解散した。
ソルは部屋に戻り、レイ宛に手紙を書いた。
正式にミレーヌとレオンの子供として届出を出すことをレイには事前に報告したかったのだ。
次の日、リヒトがレオンを迎えにやってきた。
「おはよう。」
レオンは簡単に身支度を済ませると、ラムル達にお礼を告げた。
「突然来たのに迎え入れてくれてありがとう。慌ただしくしてしまってすまないな。次はゆっくりできるときに来させてもらうよ。」
「是非またいらしてくださいね。」
ステラが丁寧に挨拶すると、レオンはニコッと微笑んだ。
「じゃあ行ってきます!」
リヒトは元気よく言うと、ローダンセを咲かせてセントラルに飛び立った。
レオンがあらかじめ地図を見せて自宅の座標を指定してくれていたので、リヒトとレオンはそのままレオンの自宅に降り立った。
「いらっしゃい、リヒトくん。」
「レオンさん、結構可愛らしい家具を置いてるんだね。」
「ミレーヌの趣味でね。ずっとそのまま使い続けているんだ。」
部屋を見渡すとミレーヌの写真がいくつか飾ってあった。
「本当にソルはお母さんそっくりなんだね。」
「そうだね。僕も初めてソルに会ったときはびっくりしたよ。」
そう言ってレオンは写真を手に取り愛おしそうに見つめた。
「僕は本部で報告と休暇の申請をしてくるけど、リヒトくんはうちで待ってるかい?」
「セントラル宛の荷物を持ってきてるから、配達してくるよ。昼までには終わると思うけど。」
「そうか。じゃあ配達が終わったら本部までおいで。昼食は僕のおすすめのお店で食べよう。」
「やったー!」とリヒトが嬉しそうに笑った。
こうしてレオンとリヒトは一旦解散し、各々の用事を済ませることになった。
レオンが本部へ入るとすぐに副団長がやってきた。
「団長、おかえりなさい。戻ってくるまでもう少しかかるかと思ってましたよ。」
「僕もそう思ってたんだけど、すぐに動きがあったからね。報告書すぐに書くよ。」
「その前に戻ったら執務室まで来てほしいと殿下から伝言が。」
「わかったよ。じゃあこのまま行ってくる。」
そう言ってレオンは副団長と別れ王城の執務室に向かった。




