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宿屋の部屋に入ると、ソル達はリヤンの両親について感じた事を話し合った。


「リヤンの両親、悪意は感じなかったよな。」


「幽霊って感じでもないよね。本人たちも亡くなった記憶はあるみたいだけど、生きてる人と何も変わらないんだよね。」


ソルとリヒトが話しているのを聞きながらシエルは腕を組んで考え込んでいた。


「いや、違和感はある。」


「違和感って?」


「魔力だ。生きてる人間の魔力は血液みたいに体の中を流れてるんだ。ただあの夫婦の魔力は体全体を包んでるみたいだった。」


シエルには魔力が見えている。

成人花の開花時期を予測したり、ルイのゼラニウムが偽物であることを見破ったりしたこともある。


「それに2人を包んでる魔力が全く同じものだった。」


魔力というのは人それぞれ異なるらしい。

ということは母親を包んでいる魔力と父親を包んでいる魔力は同一人物のものなのだろう。


「問題は誰の魔力なのかってことだ。おそらくその魔力の持ち主が墓荒らしの犯人だ。」


「そういえばリヤンのお母さんが他に誰かいた気がするって言ってたよね。覚えてないとも言ってたけど。」


「あぁ、見たはずなのに覚えてないってどこかで聞いた話だと思わないか?」


「「ローブの男!!」」


ソルとリヒトはレイから聞いた過去の話を思い出し、同時に叫んだ。

カイがローブの男に殺される前、『何度も目撃してるはずなのに思い出そうとしても記憶がぼやける』という話だった。


「墓荒らしはローブの男ってことか!?」


「もし本当にそうだとしたら、僕たちだけで動くのは危険なんじゃない?」


次期騎士団長と言われていたくらい強いカイを殺したローブの男。

このまま3人だけで動けば、殺されてしまう可能性もある。


「父さんに協力してもらおう。」


ソルには父親と一緒に母親の仇を取りたいという思いもあった。

レオンにとっても恋人と親友たちを奪ったローブの男は決着をつけたい相手だろう。


「まだ夕方だし、僕セントラルに行ってレオンさんに直接話してくるよ。」


リヒトは立ち上がりそう言うと、あっという間にローダンセを咲かせ行ってしまった。


「おいおい、リヒト大丈夫かなぁ?」


「まぁあいつは何度もセントラル行ってるし、レオンさんは騎士団にいるから場所もわかってるし、大丈夫だろ。  」


行動派であるリヒトに慣れているのかシエルは冷静だった。

そして少しの間静かに考え込んだあと、口を開いた。


「ローブの男は何のために墓荒らしをしているんだ?それにリヤンの両親にメモを残したのも気になる。何故リヒトを引き取らせようとしたのか。間違いなく善意なんかじゃないだろう。」


「類が行方不明になった時もリヤンはブランに狙われてたよな。」


ソルの一言にシエルはハッとした顔をした。


「『あの方』もローブの男なんじゃないか?だとしたらブランの体を持ち去ったのも墓荒らしをしている理由と同じかもしれない。ブランもまた現れるかもしれないな。」


「でもブランのマナフルールの種は博士が取り出してくれたよな?生き返ったとしてもマナフルールの力は使えないんじゃないか?」


「そういえばリヤンの両親はマナフルールの力を使えるのかな?魔力も体の中を流れてるわけじゃなさそうだし。」


ソル達がリヤンの両親の家を訪れた時、マナフルールの力は一度も見ていない。

というより、マナフルールの力が使えるかどうかということ自体、今まで気にもしていなかったのだ。


「リヒトがレオンさんに協力を頼めたら、もう一度リヤンの両親に会いに行く必要がありそうだな。」



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