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ステラ達が植物園に戻ると、ラムル博士が昼食を用意してくれていた。

ソルとシエルも既にキッチンに集まっていた。


「ただいま。パパありがとう。」


「リヒトくん達の分もあるからね。」


ステラ達は席に着くと、昼食を食べながら孤児院での出来事を話した。


「また幽霊かい?やっぱり幽霊はいるんだよぉ。」


そう言って博士は怯えている。


「幽霊見たことないからわからないけど、そんなぼんやりした感じでもなかったのよね。みんなにはっきり見えてたし。」


幽霊と言えば実体がなく扉などをすり抜けるイメージである。

しかしステラ達が見た夫婦は教会の扉を自分達で開けていた。

神父さんも応対しているし、全員に違和感なくはっきり見えていた。


『僕とは違うみたいだね。』


ソルの耳元でソレイユの声がした。

ソル以外にはソレイユの声は聞こえていないようだった。

ラムル博士の隣にソレイユが姿を現した。


「やっぱりソル以外には僕の声は聞こえていないし、見えてもないみたいだね。」


ソルは小さく頷いた。ソレイユの存在に誰も気づいていないため、ソレイユに返事をするわけにはいかない。

ソレイユもそれをわかっているため、恐る恐る頷くソルを見て小さく笑った。


「それにしても何故リヤンを引き取ろうとしているかよね。それも10年も経った今になって。仮に幽霊だとしても何故10年の間出てこなかったのかしら。」


「リヤンの両親について調べてみるか。そっくりな親族がいるかどうかも。リヤンが孤児院に来る前のこと知ってるか?」


「リヤンは4歳の時にルダンに引っ越してきたって聞いてるわ。その前はヴェルオーに住んでたらしくて、ご両親のお墓もそこにあるみたいよ。」


ヴェルオーは海に面した街だ。街の中心には時計台と噴水があり、観光客が多く訪れる。


「それじゃあヴェルオーに行ってみるか。リヒト頼む。」


「言うと思ったよ。シエルは人使い荒いんだから。いいよ、僕はあの夫婦の顔も見てるしね。ヴェルオーは行ったことあるから案内もできるよ。」


「俺も行くよ。」


こうしてソル、シエル、リヒトの3人はヴェルオーへ向かうことになった。

次にいつリヤンの両親と名乗る夫婦が現れるか分からないため、なるべく早く調べたほうがいいということで、昼食後すぐに向かうことにした。


「さぁ、行くよ!」


リヒトの言葉と共にローダンセがくるくる回り始め、あっという間にヴェルオーに着いた。


「まずはお墓行ってみようか。ヴェルオーの墓地は教会の裏にあるんだ。」


リヒトの案内で教会へ向かうと、まずは神父さんに挨拶をした。


「こんにちは。僕たちリヤンの友達でヴェルオーに来たついでにリヤンのご両親のお墓参りをしようと思って来ました。」


リヤン達は教会の近くに住んでいたようで、神父さんはリヤンの家族のことをよく覚えていた。


「リヤンは元気かい?引っ越してからは会ってなかったんだが、火事の話を聞いた時は驚いたよ。ご両親を埋葬するときのリヤンは見てられなかった。ご両親のお墓の近くにいると火事のことを思い出して辛いだろうから、ルダンの孤児院で面倒見てもらうことにしたんだよ。」


リヤンは最初ヴェルオーの孤児院にいたそうだが、毎日両親のお墓の前で泣いていたそうだ。


「お墓に案内するよ。」


神父さんは教会の裏にある墓地へ連れて行ってくれた。

ヴェルオーの墓地では墓石の前にたくさんの花が咲いていた。しかし所々花が咲いていない墓石もあった。


「ヴェルオーでは埋葬する時に家族が花の種を植える文化があってね、マナフルールではないから私が毎日水をやって管理しているんだよ。その花が枯れて種ができる頃、家族はまたその種を植えるんだ。」


「でも所々咲いてないところがありますよね?」


「実は半月程前に墓荒らしにあってしまってね。夜中に荒らされたみたいで、朝水やりに来たら所々掘り起こされてしまっていたんだよ。そういえばリヒトのご両親のお墓も荒らされたんだった。せっかくお墓参りに来てくれたというのに…。」


ソル達は驚いた。ノルエストでの墓荒らしと幽霊の話を聞いたばかりだからだ。

ノルエストでは確か墓荒らしから半月後くらいに幽霊騒動があったはずだ。

ヴェルオーの墓荒らしが半月前ならリヤンの両親が現れた時期もノルエストの幽霊騒動の時期と共通している。


「もしかしたら墓荒らしと幽霊騒動は勘違いなんかじゃないのかもしれない。」


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