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夕食の時間になると、リヒトとルミエがまたやってきた。


「ステラの作るご飯、美味しいのよね。リヒトが作るご飯も美味しいけどステラには負けるわ。」


「僕は簡単なものしか作れないからね。」


普段はリヒトが作っているようだ。

ルミエは包丁も握ったことがないらしい。

以前暮らしていた家にはお手伝いさんがいたようで、毎回作ってもらっていたそうだ。


「じゃあルミエ、私と一緒に練習しましょうよ。お昼はうちで一緒に作るってのはどう?」


ステラがそう提案するとルミエは目を輝かせて何度も頷いた。

料理を作れるようになりたかったようだ。

これから昼食はリヒトとルミエも一緒に食べることになりそうだ。

賑やかで楽しくなりそうだなとソルは思った。


「そういえばお昼に話してた幽霊だけど、目撃したって人は誰なの?噂だけが大きくなってる可能性もあるでしょう?」


「目撃した人は墓荒らしにあった家の近所の人らしいよ。お墓に埋葬されてたのはその家の子供で、去年病気でなくなっちゃったんだって。だけど墓荒らしにあって半月経ったくらいの時、その人の家の前を通ったらその子が窓からこちらを見てたっていうんだよ。」


「なんだかありがちな話ね。」


幽霊が窓から覗いてたなんて話は幽霊話としてはよく聞くパターンだ。

実際には窓に反射したものが人に見えただけだとか、風で揺れたカーテンを見間違えたとかそういう勘違いが多い。


「ただひとつだけ不思議なことがあるんだ。その家の人は墓荒らしにあったあと毎日警備隊のところに行って犯人はまだ見つからないのか、息子の骨を返してほしいって言ってたらしいんだけど、目撃された日から一切警備隊のところに行かなくなったみたいなんだ。」


不思議といえば不思議である。 

普通子供の骨がなくなったのであれば、見つかるまで必死になるだろう。

警備隊に任せることにしたのか、ただ単に諦めたのか。


「噂を聞いて近くにいてくれてるならって思ったのかもね。まぁ、墓荒らしは許せないけど。」


「早く墓荒らしが捕まるといいな。」


「そもそも何の目的で骨を盗んでるんだろうね?」


この国では棺にその人が生前愛用していたものを一緒に埋葬する文化がある。

そのため、裕福な人のお墓から一緒に埋められた貴金属が盗まれるという事件はたまにある。

しかし、骨を盗まれるなんてことは滅多にない。

稀に思いを寄せていた人が亡くなり、その人への想いが故に骨を盗んでいくという事件もあることにはある。

ミレーヌのお墓を隠しているのもローブの男に盗まれるかもしれないと思ってのことだ。

しかし今回の墓荒らしは各地で何か所も骨が盗まれているのだ。


夕食を食べながらみんなで色んな可能性を考えたが、結局納得のいく答えは出なかった。

ソルはふと『父さんは何か知ってるんだろうか。』と思った。

夕食を食べ終わったあと、ソルは部屋に戻りレオンに手紙を書くことにした。

手紙には無事にルダンに戻ったこと、ルーナとソレイユのお墓参りに行ったこと、それからリヒトたちに聞いた墓荒らしと幽霊についてをしたためた。

書いた手紙を出すとソルはベッドに転がった。


「おやすみ。」というソレイユの声に「おやすみ。」と返事を返し、ソルは眠りについた。

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