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黙示録のラッパ吹き 〜魔法師世界で魔法が使えない少年〜  作者: 岩月敬一
学年別クラス対抗戦編
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第三十四話 いや、応援してねえよ。貶してんだよ


『さあ、やってまいりました決闘のお時間です! 今回の決闘は一年Bクラス、ボヨン・ボヨヨンと一年Fクラス、ドリアド・ドドンガによる決闘となります。それぞれが出した勝利時の条件は、もしドリアド・ドドンガが勝った場合ボヨン・ボヨヨンは金輪際身勝手に国民を自分の側室にしない。もしボヨン・ボヨヨンが勝った場合はドリアド・ドドンガは一生ボヨン・ボヨヨンの命令を聞く、になります。 決闘方式は三対三のチーム戦。先に相手を全員倒した方が勝利になります! 

 実況は私三年Bクラス、放送委員のデリヤ・ダンベル。そして解説にはなんと、この学園で学園長につぎ二番目に強いと言われている一年Fクラスの担任、オーズスタン・ホルス先生にお願いいたします! オーズスタン先生、よろしくお願いします!』


『ああ、よろしく頼む』


「「「「うぉーーーーーーーー!!!」」」」


 オーズスタン先生の声が聞こえると、観客は一斉に歓声を挙げた。それほど人気な講師なんだろう。


 屋上での一件から数日したあと、今俺達は決闘場という場所にいた。真ん中の円状の戦闘場所を中心に観客席が階段状にある所で、戦闘場所には入学試験の実技試験の時と同じ結界が設置されていて大ダメージを負ったら強制的に結界の外に転移するようになっている。


『さあ、それでは決闘者達の入場です! まずはボヨン・ボヨヨン側、一人目は言わずもがな、ボヨン・ボヨヨン! 今回の決闘の発端者となった人物です! 実力は一年Bクラスでも最強、その太った体型からは想像できないほど強い人物です! さあ、続いては一年Aクラス、クリス・ヘイゼルです! ボヨン・ボヨヨンとは中等部の頃から仲のいい人物ですので、今回の登場は予想は出来ていました! さあ、そしてなんと最後の一人は、一年Sクラス、マイエル・クラシコ!』


「「「「うぉーーーーーー!!!」」」!


 ボヨン側の最後の一人それはSクラスの生徒だった。金髪のオールバックで、ガタイがそれなりにいい。その名前が呼ばれただけでも観客中から歓声があがっている。それほど有名な人物なんだろうか。


「なあドリアド、あのマイエルって奴有名なのか?」


 決闘場の入り口の少し外で待機していた俺は同じく待機していたドリアドに質問を投げかける。


「うむ、マイエルは中等部でも有名な奴であったな。"栄光の世代"や俺が出ていなかった大会では度々優勝しておったぞ」


「マイエル氏の名前なら某も聞いた事があるのであるよ。たしか得意魔法は炎魔法、圧倒的な魔素量によるゴリ押しの戦法が得意だったはずであるよ」


 戦法を聞いただけでもあいつが魔素量至上主義ってのが分かるな。まあ、あくまで予想だけど。


「そして大の魔素量至上主義者なのであるよ」


 ほ〜らやっぱり。俺の予想通りでした。そうじゃないかと思ったんだよね。うん、俺天才。


「なんかナツがすごいニヤニヤし出したが、理由は分かるかメクルよ」


「まあナツ氏の事であるからきっと変な事でも考えているのであるよ」


『さあ、続いてドリアド・ドドンガ側。まず一人目は、ドリアド・ドドンガ!』


「おっ、名前が呼ばれたな。では行ってくる」


「「いってらっしゃい」」


 俺とメクルの言葉を聞いたドリアドは頷き、真っ直ぐと決闘場の方へ歩いて行った。


『中等部では"栄光の世代"に次ぐ実力を持っていると言われていた彼ですが、なんとクラスは最低のFクラス! 一体彼に何があったというんでしょうか!』


「負けちまえドリアド! テメェはもう終わってんだよ!」


「そうだそうだ! いつまで過去の栄光に縋ってるつもりだ!」


「Fクラスに入った時点でお前はもう俺ら以下なんだよ! さっさと身の程を知れ!」


 ドリアドが入場するのと同時に罵詈雑言が彼に浴びせられる。どれも彼を否定する物ばかりだ。いや、ていうかいくらなんでも言い過ぎだろ。あの真ん中に何事も無いように立ってるドリアドを素直に尊敬するよ。きっとすげぇメンタルの強さを持ってんだろうな。


「うむ、皆の者。盛大な応援感謝する! 俺はお前達の期待にも応えるために必ず勝つぞ!」


((((いや、応援してねえよ。貶してんだよ))))


 会場にいる全員がそう思った。


 違うわ、あいつメンタルが強いんじゃない。馬鹿だからあれを応援だと思ってるんだ。いや、どんな思考回路してんだよ。何をどう考えたってあの罵詈雑言を応援とは捉えられないだろ。あいつ結構無口だから今まであまり意識してなかったけど、やっぱ馬鹿だ。とてつもない馬鹿だよ。


「う、う、ドリアド氏、可愛そうなのであるよ。あれを応援だと思う事でしか自分のメンタルを保てないなんて、きっとドリアド氏のハートはガラスの様に脆いのであるな。くっ、安心するのであるよドリアド氏。某も頑張って必ず勝利して見せるのであるよ!」


 いや〜、メクル。お前なんか勘違いして泣いてるけど忘れてない? あいつが筆記試験0点のとんでもないアホって事。そんな深読みしても意味な…………ああ、そっか。そういえばメクルも25点の猛者だったな。あの常識問題だらけの筆記試験で。まあいいや。じゃあツッコまない。


『さあ、続いては一年Fクラス。メクル・スズク!  彼は今までの生徒と違い、まったくデータが無い選手です! Fクラスとは言えどんな戦いを見せてくれるのでしょうか!』


「では行ってくるのであるよ」


「おう、いってらっしゃい」


 そうしてメクルは決闘場に入る。


「引っ込めFクラスの雑魚が!」


「ていうか退学しやがれ!」


「そうだそうだ! この学園はお前みたいな雑魚が来ていい所じゃ無いんだよ!」


 やっぱひどい言われようだな。ていうか聞こえてる限りだと皆ドリアドの時と言ってる事が違うけど事前に何を言うか決めて来たのか? ヒュー、律儀!


 で、次は俺の番か。


『そして最後は、一年Fクラス、リンドウ・ナツ! なんとこの生徒、常に剣を腰に携えている生徒になります! このご時世に、です。彼はその腰の剣をどのように戦いに用いるのでしょうか!』


 俺の名前が呼ばれたのと同時に俺は入場する。そして案の定、罵詈雑言が浴びせられた。


「来た来た! 『ラーンベルト学園』一番の恥さらし!」


「剣なんてこの時代なんの役にも立たないんだよ!」


「なんかクルセウス様を言葉で言い負かしたみたいだけど、所詮は口だけだろ!」


 うわ、クルセウスを言い負かした事も出回ってんのかよ。情報の通りがいいなこの学園。ていうかずっとツッコミたかったけどこれ剣じゃなくて刀だから。刀がこの国では珍しいのは知ってるけど何回も剣って言わないで欲しい。


 なんか嫌だ。


『オーズスタン先生、この決闘はどう見ますか? やはりボヨン側が優勢でしょうか?』


『いや、俺はそうは思わねえな。デリヤ、この決闘面白いもんが見れるぞ』


『おお、面白い物ですか。それが何を指しているのかとても気になる所ですが、両側準備が整ったようです! それでは審判の合図により決闘が開始されます!』


「両陣営、準備はいいか?」


「「「「大丈夫です」」」」


 審判をする先生に、ある程度距離が開いている全員が返事をする。今回審判を担当するのは二年生を担当している男性教員らしい。


「では、決闘を開始する。勝敗は先に敵陣営を全員気絶させ、場外へ転移させたら勝利とする。それでは行くぞ。決闘…………開始!」


 そうして戦いの火蓋は切って落とされた。

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