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黙示録のラッパ吹き 〜魔法師世界で魔法が使えない少年〜  作者: 岩月敬一
学年別クラス対抗戦編
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第三十一話 おう、久しぶりだな

「おいおい、あいつらだぞ」


「ああ、Bクラスのボヨンに決闘を申し込んだ馬鹿なFクラスの連中だ」


「きっとドリアドがいるから行けるんじゃないかって思ったんだろうな。中等部の頃の成績は高等部には一切関係ないのによお!」


「「「「ハハハハハハハハハハッ」」」」


 翌日、登校すると俺達は周りから馬鹿にするような言葉をかけられた。


 彼等の差別はかなり酷い物で、すれ違う人のほとんどがそういった言葉をかけてくる。この学園では差別意識がそれほど強いのだ。


 本来なら結構傷つく所だが、俺達は違う。一ヶ月の間常に蔑まれ、差別されてきた俺達はもう普通の人とは差別に対する精神の強さが桁違いなのだ。Fクラスの中には、「こんな悲しい強さいらなかった」なんて言うクラスメイトもいるが、ほとんどの生徒は差別の事を気にしていても、深く傷つく事は無くなった。段々慣れ始めている結果だ。


 そして馬鹿にした言葉を浴びせ続けられた俺達は昼飯の時間を迎えた。いつものようにいつものメンバーでいつもより多くの罵倒を受けながら俺達は屋上で食事を取っていた。


「いや〜、それにしてもすごいな。ボヨンの奴相当言いふらしてるぞ」


「ナツの言う通りだな。あと多分あいつの人脈を総動員した結果だ。いくらなんでも広まりすぎだろ」


 ソウの言う通りだ。いくらなんでも決闘の事が広まりすぎている。ボヨンは自分が負けてしまうなんて微塵も思ってないだろうな。


「それでドリアド君、残りのメンバー二人は誰にする気なの?」


 と、ここでライアが本題に入る。一緒に決闘に出るメンバーを誰にするかの登録は必要無いとはいえ、もうそろそろ決めといた方がいい。その方が俺達も心構えが出来るしな。


「ああ、その事か。それならもう決めている。メンバーは……「やっと見つけたわ!」


「「「「!?」」」」


 ドリアドがメンバーを発表しようとした瞬間、屋上の出入り口から大きな声が聞こえた。その事に俺達だけでは無く屋上にいる全員がビックリした。そしてその全員が一斉に出入り口の方を見ると、そこには見たことのある人物が立っていたのだ。


 その少女は金髪ツインテールで、人の街中で歩いていても普通に人の視線を集めるような容姿をしている。この国に住んでいる者であれば知らないはずがない少女、イリーネ・ユグドラシルだ。


「イ、イリーネ様。何か屋上に御用ですか?」


 そのイリーネに一人の少年が話しかけに行く。制服からして俺達より一つ上の学年の先輩だ。この機に彼女とお近付きになろうとしてるのだろう。結構浅はかな考えだなおい。


「大丈夫です。もう目的の人物は見つけましたから。では」


「っ、は、はい…………」


 しかしイリーネはその少年を見る事無く、言葉だけ柔らかく冷え切った態度で対応した。そして、角に座っている俺達の方に歩いて来る。


「お、おい。イリーネ様はどこに向かってるんだ? あそこには一年のFクラスの連中しかいねえはずだぞ」


「そうだな、王女な上に『栄光の世代』筆頭格であるあの方の視界に入るだけでもおこがましい奴らだ」


「あれだよ、きっと馬鹿にしに行くんだよ。なんてたってFクラスのくせに一年Bクラスのボヨンに決闘を申し込んだんだからな」


「ははっ、違いない」


 イリーネがこっちに向かっているという事だけで俺達は罵倒を受けた。それだけ差別意識が根付いているという事だ。


「イ、イリーネ様。我々に何か御用でしょうか?」


 イリーネが俺達の目の前に到着すると、クララが少し怯えたように聞く。きっと、目の前に王女がいるだけで緊張するのだろう。


「ええ、まあね。はあ、やっと見つけたわよリンドウ君。あなたの魔素量の事は聞いてたけどまさかあなたの実力でFクラスに組み分けされるなんてね」


「おう、久しぶりだなイリーネ」


 俺に話しかけたイリーネに、俺は右手を挙げて返事をする。


「「「「はあーーーーー!?」」」」


 そして、その事に驚いたソウ達を含めた屋上にいる生徒全員は一斉に大声をあげて驚いた。





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