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第二十二話 なんて失礼なんだソウは!

「はあ、疲れた…………なんだよ皆…………休憩くらいさせてよ。10人に説明するのって思いの外大変なんだぞ」


「まあまあ、終わったんだしいいじゃねえか。いいからそのスパゲッティ食っちまえよ。お前さっきから一口も手つけて無いぞ」


 疲れてぐったりとしている俺に、ソウが目の前のスパゲッティを食べるよう促す。俺達は今腹ごしらえに食堂に来ていて各々が食堂のメニューを食べている。


「うむ、しかし皆の者が元気を取り戻せたようで何よりであったな」


「ドリアド氏の言う通りでありますね。やはり某達とは違って皆Fクラスに入ってしまった事にかなり落ち込んでいた様子でありましたから」


「俺はソウから説明を受けるまでFクラスがそんなやばいと思って無かったよ」


「逆に俺達が落ち込んで無い方がおかしいんだよ。俺は特別な事情があるとして、ドリアドとメクルは明らかに筆記が足を引っ張ってるし、お前はなんで落ち込んでねえんだ?」


 ソウが疑問に思ったように聞いてくる。


「ああ、俺は…………まあ、ステファニー先生を倒したからな。それで実技には自信があるんだよ」


「なっ、おまえあのステファニー先生を倒したのか!?」


「ああ、まあそうだな。ちなみにお前らは倒せたのか?」


「いや、俺は全力を出したんだがあと一歩の所で届かなかったな」


「某もである。そもそもあの試験は試験官を倒す事を想定してないのであるよ。この学園の教師を一年の時から倒せる者がいるとすればそれは『栄光の世代』くらいなのである」


「うむ、俺もステファニー先生には及ばなかったぞ。やはり『栄光の世代』と俺とではそれなりに差があるようだな…………」


 なんか落ち込んでるよドリアドの奴。


「ああ、やっぱそういうもんなのか。まあ、だからこそ俺はFクラスで落ち込んでねえんだけどな」


「えっ、でもよおナツ。だとしたらお前なんでFクラスなんだ? ステファニー先生倒したんならまず実技は満点だろ? で、多分筆記も満点だから。問題があるとすれば魔素量か?」


「おっ、いい線付くなソウ。正解だ。俺魔素量がまったく無えんだよ。だから魔素量試験で0点取ってFクラスになったってわけだ」


「はあ、マジで!? お前魔素量無いのっ? それでステファニー先生に勝ったのかお前!」


「そ、それは某も俄かには信じがたいであるぞナツ氏!」


「ああ、大マジだ」


「すげぇな! そりゃオーズスタン先生も興味を持つわけだ!」


「そうである! まさか魔法も使わずにステファニー先生を倒してしまうだなんて!」


「うむ、ナツは些か特別でだな」

 


 あれ、こいつら俺が魔素量無い事馬鹿にしねえのか。それはなんか、気分がいいな。


「へへ、へへへへへへへへへへへへ」


「ナツ氏…………その笑いは気持ち悪いのであるぞ」


 と、そんな風に盛り上がっていると、ドリアドの後ろに三人の少年が現れた。


「おい、そこのお前達!」


「…………はい、なんですか?」


 三人のうち、右に立っている少年に怒られるように話しかけられると、ソウが面倒くさそうに答えた。


「そこはクルセウス・シュナイダー様のご予約された席だぞ! 誰に許可を得て座っている!」


 ええ! マジか! 席に予約制なんかあったのか。それはまずい、俺達完全にルール守れてねえ奴じゃん!


「す、すみません! まさか席に予約制なんて物があるなんて! い、今すぐ退きますんで命だけはご容赦を!」


「落ち着けナツ、まず席に予約制なんて無いし仮にあったとしてもそんな事で命は取られない。お前が教室に入る瞬間ギャグを言い放ってた時から思ってたけどお前、大分ズレてるぞ」


 急いで土下座をする俺にソウが少し呆れたように言う。だが、俺は騙されないぞソウ。


「そんなわけ無いだろ! 見ろ、この方々の堂々とした佇まいを。ここまで堂々と言うんだから嘘なわけ無いだろ! 仮に嘘だとしたらこの方々は堂々と嘘をつけるとんでもない悪人って事になっちゃうんだぞ。失礼だろうが!」


「失礼なのはナツ氏であるぞ! あれは嘘なのである。ソウ氏の言う通り席に予約制なんかないのであるぞ!」


「え、ええ!!」


「い、いい加減にしろ! お前らクルセウス様を馬鹿にするつもりか! その茶番を今すぐ辞めろ!」


 俺達の会話に痺れを切らした右側の少年は大声で怒鳴る。それに周りの人が気付き、段々と注目を集め始めた。


「おい、あれクルセウス・シュナイダーじゃねえか」


「ああ、今年の新入生で、Aクラスに入った逸材」


「今年は例年よりレベルが高い。今年のAクラスは実質例年のSクラスレベルだ。しかもあいつはAクラスの中でも実力は一番らしいからな。とんでもねえぞ」


「そんなクルセウス様に楯突いてるあいつらはなんだ?」


 周りの話を聞いていたクルセウスが少し笑みを浮かべて話始める。


「ふっ、どうやら俺も有名になりすぎたみたいだな。お前らも周りの話聞いてたら分かるだろう? 俺はAクラスで一番の実力だ。見た所お前らも新入生みたいだが、クラスはどこなのだ? 少なくともAやSではないだろう」


 あれだよな、相手が馬鹿にしようとしてる時は堂々とした方がいいんだよな。爺ちゃんもそう言ってたし。


「俺達がどのクラスかって? ふっ、よくぞ聴いてくれた。俺達はなあ、かの有名なFクラスだぞ!」


「「いや、なんで自信満々に言った?」」


 あれ、ツッコまれちゃった。


 ん? ていうか声一つ足りなくね?








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