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第十九話 さっ、教室に入れよFクラスの異常者坊主共

 しばらく間を開けてからソウが言う。


「…………メクル、一応言っておいた方がいいと思うから言っとくぞ」


「おや、なんですかなソウ氏?」


「とても言いにくいんだけど…………あの筆記試験……100点を取るのが普通なほど簡単だったんだ」


「ふむ、何を言うかと思えば。ソウ氏、某はそんな世迷言には騙されませんぞ。ははっ、まったく。ソウ氏、冗談を言ってくださるのは某正直嬉しいのですが、そんなバレバレな嘘は某にはききませんとも。ねえナツ氏」


 そう言いメクルは眼鏡を右手でクイッと揚げながら俺の方を見る。


 いや、そんな自信満々な目で俺の方を見られても困るんだけど。


「いや、悪いけどメクル、ソウの言う通りだぞ。あれ全部常識問題だから100点取るのが普通なんだ。お前とドリアドが特殊なだけ」


「………………………………へ? い、いやいやいやいや! 某はそんな物信じませんぞ! まったく、何を言うかと思えば! ナツ氏もお人が悪い! 貴方も乗る……と……は……」


 俺とソウの真面目な顔を見て、メクルの表情は段々絶望へと変わっていく。


「もしかして、マジでございますか?」


「「ああ、マジだ」」


「し、しかし父上と母上は筆記試験の結果を見て、我が家の誇りだと……」


 いや、それは多分…………でも、これは言わない方がいいのか?


「いや、ナツ。ここはメクルのためにも言っておいた方がいい。いいかメクル、それは多分お前が落ち込まないようにするための嘘だ。まだクラスがどこになるかは分からなかったが、この名門『ラーンベルト学園』に受かったんだ。息子には素直に喜んで欲しいっていう親心だろ」


「そ、そんな……某……実技は全然ダメであるため、学力だけは自信があったのに……まさか、普通の点数の四分の一しか取れていなかったなんて……」


 ん? 実技がダメ? それってなんかおかしくねえか?


 いや、そんな事よりも今は落ち込んで座り込んでるメクルを励まさないと。


「お〜い、坊主共。そこ邪魔だ。早く自分の席に座れよ」


 落ち込んでいるメクルをどうやって励まそうか俺とソウとドリアドがあたふたしてると、俺の後ろから聞いた事がある声が聞こえてきた。


 なので振り返ると、そこには入学試験の時に審判をやっていた、オーズスタン先生がいた。


「あっ、どうもです先生。なんでこんな所に先生がいるんですか?」


「「オーズスタン先生!?」」


「おう刀坊主、相変わらず刀を腰に携えてて面白いな。俺がここにある理由か? そんなの簡単だろ、俺がFクラスの担任だからだ」


「「えーーーーーーーー!?」」


 オーズスタン先生がFクラスの担任と言った瞬間、メクルとソウが声を上げて驚く。声に出してはいないが、ドリアドも目を見開いて驚いている様子だった。会話を少しだけ聞いてた教室の中の生徒達もあからさまに驚いている。


 いや、なんでそんな驚いてんだ?


「雷桜坊主、金髪坊主、それに眼鏡坊主も久しぶりだな。何に驚いんてんだ?」


「「驚きますよ! なんてたって、あっ」」


 お互いに声が被ってる事に気が付いたんだろう、ソウとメクルは互いに顔を見合わせる。


「悪いなメクル、先に言っていいぞ」


「いえいえ、某はあの常識問題で25点という点数を取ったアホなのです。ソウ氏が言われた方がいいでしょう」


「いやいやいいって、俺みたいな軽薄そうなやつよりお前の方が絶対いいから」


「いやいや、某みたいな見かけだけ頭いいやつ

よりもソウ氏の方が」


「いやいや」


「いやいやいや」


「いやいやいやいや」


「いやいやいやいやいや」


「いやいや……「いや、もういいよ! いつまで続ける気だよそれ!」


 なに変な所で譲り合ってんだよ。さっきまで結構遠慮無かったじゃん! 


「オーズスタン先生よ、メクルとソウに代わって聞くのだがいいだろうか」


 必死に遠慮しあっていたソウとメクルと、それを止めた俺の代わりにドリアドがオーズスタン先生に質問をする。


「おう、なんだ雷桜坊主」


「なぜオーズスタン先生ほどの人物がFクラスの担任をするのだ? 貴殿ならSクラスの担任をしていてもおかしくはないだろう」


 えっ、なに、オーズスタン先生ってそんなすごい人なのか。


「おっ、直球で来るな。でも恥じるような事は無いし教えてやるよ。理由は二つだ。一つ目はそこの刀坊主を庇ったからだな。刀坊主の合否で意見が分かれてな、最終的には学園長先生の意見で合格にはなったんだが、その時に一年の学年主任になる予定の先生に暴言吐いちまって、その学年主任の意向で俺はFクラスに配属されたってわけだ。

 で、二つ目の理由だが、今年のFクラスが非常に面白いから進んで担任になったんだ」


「ふむ、面白いとは?」


 オーズスタン先生の言葉で気になった所をドリアドが聞く。


「そうだな、まずはお前だ雷桜坊主。お前の魔素量は歴代のFクラスではありえないくらい高い。筆記さえ無ければ普通にSクラスに入れるほどなんだ。ハッキリ言ってお前がFクラスにいるのは異常だ。次に金髪坊主、お前は面白い魔術を使うからな。是非とも間近で見たいと思った。で、眼鏡坊主、お前も面白い。まあ、お前が面白い訳は後で話すとするか。そして最後に俺の興味を沸かせる筆頭がお前だ刀坊主。なんてったって魔素量無しで受かってるんだからな。お前は雷桜坊主、眼鏡坊主、金髪坊主以上に前例を見ない。な、面白いだろ?」


 ……なるほど、ソウとメクルも何かあるって事か。俺とドリアドの存在だけでも異常だってのにそれに加えソウとメクルも何かしら普通では測れない強さがある。そりゃたしかに面白いわな。


「さっ、教室に入れよFクラスの異常者坊主共。お前らの学園生活の始まりだ」



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