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第十五話 栄光の世代か、俺全然知らねえんだよな

 『栄光の世代』の説明を受けるためデンネラさんに案内されて入ったのは、先程俺とイリーネがサンドイッチを食べていた店だ。


「うむ、やはりサンドイッチは大変美味ですね」


 いや、またこの店かよ。えっ、なに、王族とかそこら辺の人はサンドイッチが好物なの? 普通もっとあるだろステーキとかそういう高級食材。なんでよりによってリーズナブルなサンドイッチなんだよ。ちょっとおかしいぞこの国の王族関係の人。


 ……ちなみに俺はさっき食べたから今は食べてない。


「あの〜、デンネラさん。『栄光の世代』についてなんですが」


 あまりにも美味しそうにサンドイッチを食べてるため、俺は申し訳なさそうに話を始める。


「おっと、そうでしたね。申し訳ございません。サンドイッチが美味しすぎてついこの店に入った目的を忘れておりました」


 そう言い、デンネラさんは手に持っていたサンドイッチをものすごく名残惜しそうに皿の上に置いた。


 そんな残念がるほどサンドイッチが好きなのかよ。


「では、『栄光の世代』についてですね。まず、え〜……………すみません、お名前お伺いしてもよろしいでしょうか?」


「あっ、そういえばまだ自己紹介して無かったっすね。俺竜胆夏って言います。どうぞよろしく」


「リンドウ様ですね、よろしくお願いいたします。ではリンドウ様、『栄光の世代』についてはどこまでご存知ですか?」


「そうですね……結構強いって事しか知らないかも」


「なるほど、だいぶ初歩的な知識ですね。では、最初から説明させて頂きます」


「お願いします」


「『栄光の世代』とはその名前から想像出来る通り、この国で近年でも類を見ないほど強い者が揃っている世代でございます。ちなみにリンドウ様は『栄光の世代』で知っている方はいらっしゃいますか?」


「ええ〜と、まずイリーネ…………ああ、あと入学試験の時に会ったフィンラルって奴もたしか『栄光の世代』だったはずです」


「おや、"灼熱しゃくねつ"のフィンラルにはもうお会いになられたんですか。イリーネ様と"灼熱しゃくねつ"のフィンラル、この方々を合わせて『栄光の世代』は六名いらっしゃいます」


「六? それって…………」


「ええ、属性魔法の数と同じです」


 属性魔法、それは六つの属性に分かれた魔法の事だ。それぞれの属性にはそれぞれの特性があり、生まれた時点でどの属性が得意なのかが決まっている。


 まずは炎魔法、この魔法は前説明した通り、すべての属性の中で最も威力の大きい魔法だ。


 さらにすでに説明した魔法で言うと、雷魔法と風魔法。雷魔法は威力で炎魔法に遅れを取る分速度はピカイチだ。ヘステさんはこの魔法を手足に纏わせて戦っていた。


 次に風魔法、この魔法は威力や速度で劣る分目に見えない事による奇襲性に長けている。入学試験でステファニー先生がやって見せたように声に風魔法を乗せて、声量を大きくする事も可能だ。


 続いて水魔法、これは多様性に長けた魔法だ。威力、速度、さらに奇襲性で他の魔法に劣る分変幻自在な攻撃で敵を翻弄する。すべての属性の中で、一番才能では無く練習によって実力が分かれる魔法だ。


 そして土魔法、この魔法は範囲攻撃に長けている。簡単に言えば大勢いる敵を一瞬にして倒せるが、一対一だと戦闘五属性の中で一番弱い魔法だ。この魔法は戦争には大いに役立つため、様々な国で重宝されている。


 最後に聖魔法、この魔法はかなり希少、そして唯一攻撃手段を一切持たない属性だ。ただ、攻撃手段を持たない代わりにこの魔法はすべての属性の中で唯一味方を回復出来る魔法となっている。


 『栄光の世代』が全員で六人。つまり珍しくはあるが普通に考えれば、六人ですべての属性を網羅することになる。


「お察しかもしれませんが、『栄光の世代』は六人全員が違う属性を扱います」


 デンネラさんが続ける。


「そしてなによりも特徴的なのが、『栄光の世代』は中等部の時点ですでに順位分けがされているという事です」


「えっ、中等教育の時にも大会あったんですか?」


「はい、高等部ほど大きな物ではないですが、それなりの大会は。それでは一番強い者から名前を挙げますと……

 『栄光の世代』筆頭、風魔法の使い手"風神ふうじんひめ"、我らが王女、イリーネ・ユグドラシル様、続いて二位、雷魔法の使い手"雷電卿らいでんきょう"、ブライス・クルヌス様、次に三位、土魔法の使い手"地獄じごく門番もんばん"、セキネメ・ライゼット様、四位、炎魔法の使い手"灼熱しゃくねつ"、フィンラル・アークンハイド様、五位、水魔法の使い手"水神すいしん巫女みこ"、シリス・レティシア様、そして聖魔法の使い手のため自動的に六位になってしまいますが、"修復姫しゅうふくき"、ミサ・グレズリー様。

 以上が『栄光の世代』と呼ばれる方達です。そしてこのうち王女殿下、フィンラル様、シリス様がリンドウ様と同じ『ラーンベルト学園』に通われる事となっております。残りの『栄光の世代』の方々は『ラーンベルト学園』とは別の、『メイデン学園』に通う事になっております」


「な、なるほど……」


 や、やべぇ。情報量が多すぎてすぐには頭に入らねえ。


「おや、少々情報量が多すぎましたかね」


 そんな俺の様子に気付いたのか、デンネラさんが尋ねてくれた。


「あっ、いえ大丈夫ですよ。少し自分の中で整理すれば問題無いです」


「そうですか、それはよかったです。以上が『栄光の世代』の説明になりますが他に知りたい事などはございますか?」


「ん〜、今の所は特には無いっすね。わざわざありがとうございます」


「そうですか、それはよかったです」


 そう言いデンネラさんは腕時計を見る。


「おや、もうこんな時間ですか。ではリンドウ様、私はここで失礼いたします」


「あ、はい。ありがとうございました」


 俺が軽く会釈をすると、デンネラさんは会計を済ませて店から出て行った。


 それから少ししてから俺も店から出て自分の宿に戻った。




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