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海沿いのレーベン  作者: アレン
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第3話

深梅『それでは!いざ日本へしゅっぱ〜つ!!』


各々準備が終わり玄関先へと集まれば、全員が揃ったとの事なので人間界へと向かう


深梅『俺が先頭!みんなついてきてー!ソムニウム・クロノス!』



深梅がそう呪文を唱えれば手にはホウキがあり、ひらりと跨がればそのまま異世界へ行く為の扉、離島ウトピアへと向かう



セザール『こら深梅!!あれほど昔から1人で突っ走るなと言っているだろう!!レクス・ルリース、待て深梅!!』



セザールも同じように呪文を唱えホウキを持ち跨がれば1人で早々と飛んで行った深梅を捕まえに空へと飛んで行った




シャノン『ふふっ、皆元気だね』


と、シャノンはクスクスと笑いながら、2人が飛んで行った空を見上げてる



ユリア『あれ元気で済ますのか』


イリス『あはは、僕達も2人を追いかけようか』



そう言いながら他のメンバーもホウキを取り出しウトピアへと向かった





深梅『皆おそーい!早くはやくー!』



ウトピアへ足をつける頃には深梅が待ちきれないといった様子で待ってきた



ヴィリオ『深梅が早すぎるだけだよ』


とヴィリオは苦笑いしながら首にかけていた人間界へと行く扉の鍵を取り出す


異世界へ鍵穴回せば直ぐに行けるという訳ではなく、まずその扉がある館内へと入る為にはその鍵が必要なのだ


鍵は異世界へ行く為だけではなく成人している証であり又異世界へ行く資格がある事も表している



役人に鍵を見せ、その鍵が偽物でない事の証明が出来れば扉がある館内へと入れる


鍵の複製、それを提供、受け取った者は全て犯罪となり直ぐに鍵は没収される


複製した者は永遠に没収なんて事も有り得る、役人の目は誤魔化せない


島からもこのユトピアにある大きな扉は見えるがそれはあくまでオブジェであり実際は少し大きめの扉くらいのサイズだ



深梅『ふんふん、桜さくら〜』



と先に入った深梅は鼻歌まじりにとご機嫌だ


館内へ入れば簡単な手続きがある


窓口へ行き何人で行くか、その人数の名前、どこへどれくらい行くか、鍵穴を回すのは誰か



計6項目を書き何か向こうから質問されれば鍵穴を回す代表者が答える、役人が受理すれば扉への部屋へと案内される、代表者は帰ってきた際も窓口へ行き無事に帰ってきたことを報告するまでが義務だ


これを怠る事は許されない


伝えた日時より遥かに遅れた場合、向こう側で何かトラブルにあったのかと分かるようにする為だ


因みにだが扉は何個かとある、一つでは混雑が起きてしまう




深梅『はーい皆揃った?いるねー?』



いざその扉の前へとなり、今回の代表者である深梅が最終の人数確認を行う


リーフ『大丈夫、皆いるよ』


深梅『ならばよーし!ではいざ和の国日本!東京へ!ソムニウム・クロノス!』



そう言い深梅は扉へと鍵を差し込み解錠し、扉を開ける


深梅『俺がいちばーん!』



そう言い残し深梅は扉を直ぐにくぐって行った


リーフ『あはは、なら俺はにばーん』



クスクスと笑いながらリーフも扉をくぐって行く



セザール『三番とか言わないからな』


イリス『ならよんばーん、って僕は言おうか』


と各々扉をくぐって人間界へと向かった







ヴィリオ『着いたね』


深梅『わーい!日本だ日本!!』



無事日本へと辿り着けた深梅達、何度か来た事はあるがやはり物珍しさにキョロキョロと周りを観察してしまう



セザール『それで?目的の場所への行き方は分かるの?』



腰に手を当て騒ぐ深梅を宥めつつ目的地への事を問いかければ深梅は大きく頷いた



深梅『もちろん!その為にわざわざ近くに来たんだから!あとはこの道を真っ直ぐ進めば着くよ!』


と、深梅が指さす方向を見れば既に鳥居などが見えてくる



シャノン『凄い人だかりだね、人気の神社なの?』


深梅『んー、それは知らないけどこの東京でも1番ってくらい大きな神社なんだって、で、桜の名所らしいからそれもあって人が沢山いるんじゃない?日本人、お花見するらしいし』


ヴィリオ『でも花を愛でる事は良い事だよね、優雅って感じがする』


イリス『とりあえずその神社とやらに行ってみようか、ここで止まってても何も起きないし』



と、イリスの提案に他のメンバーは頷きとりあえずはと神社へと向かうことにした





リーフ『わぁ…』


ユリア『綺麗だな』



流石名所とあってか境内は沢山の人で賑わっており、名物となる桜も綺麗に咲き乱れていた


桜の種類も一種類だけではなく何種類もとありより一層綺麗に映えている



シャノン『これは確かにわざわざ見に来る気持ちも分かるね、凄く綺麗だよ』


と、ニコニコとしながらシャノンも周りにいる人間を見て微笑ましい気持ちになりながら桜を見つめている


周りにいる人間達も「綺麗だね」と写真を撮ったり、なんて事ない話をしていたりと楽しそうだった



深梅『ねーねー!見てみて!花びら大量!』


深梅は両手いっぱいに桜の花弁を持ってきては皆に見せてきた



ヴィリオ『わぁ…凄いね深梅、沢山集めたね』


深梅の手にある花弁を1枚手に取りながらそう言えば深梅はブンブンと首を横に振った



深梅『違うちがう、あそこのお姉さんがくれた!』



深梅の視線の先にあるのは落ちてきた桜の花弁の掃き掃除をしている巫女の人だった


自分に向けられた視線に気付いたのか、その巫女はこちらを向けばニコリと笑い会釈をし、再び仕事へと戻った



要は掃き掃除をしてたまった桜の花弁をたまたま見つけた深梅がくださいとねだって貰ってきたという訳だ


セザール『お…お前ってやつは……ッ!』


仕事してる人の迷惑をかけるなと怒るセザールに深梅は「捨てられるなら活用したいの!」と騒いでいる



イリス『でも確かに、花びらを活用するっていうのは良いアイディアだと思うよ』


ユリア『これなら魔法で綺麗には出来るしな、押し花にでもして栞でも作ったらどうだ?』


リーフ『これ春とか季節限定のメニューとか出して、それを頼んでくれたお客さんにプレゼントとか良いかもね』



と、ポンポンアイディアが浮かんできた


向こうでは桜が珍しい、そのためこういうものはきっと喜ばれるだろう



深梅『…!良いねそれ!待ってて、もうちょっと貰ってくる!!』


セザール『ちょ、待て深梅!!!』


と、ヴィリオに花弁を押し付けてはまた先程の巫女の所へと走っていきセザールはその深梅の後を追う


リーフ『あ、ちょ…2人とも!』



すぐに走り出した2人をリーフ達は遠目から見守るしかなかった


すぐに走り出したセザールが深梅を捕まえるより先に深梅が巫女の所へとたどり着きお願いしている、そこへすぐセザールが追いつきガミガミと叱っている、その様子に巫女は少しポカーンとはしていたがクスクスと笑い出すと何かを2人に伝え巫女はどこかへと行ってしまった




シャノン『あれ、どこかに行ってしまったね』


ヴィリオ『けど深梅ならともかく、セザールまで戻ってこないって事は何か待ってるよう言われたのかな?』



と話しているうちに巫女は何かを持ってきて戻ってきた


よくよく見ればそれはビニール袋で、そこに巫女は集めた桜の花弁を沢山入れて深梅に渡した


先程の事もあり気を使ってくれたのだろう


深梅は嬉しそうにしながら受け取り、セザールは頭を下げている


そしてお礼を言い深梅達は戻ってきた



深梅『見て!これなら沢山作れるよ!』



とキラキラした顔で深梅は袋の中にある花弁を見つめている


ヴィリオ『優しい方で良かったね、感謝しなきゃ』


そう言いながら袋の中に先程預けられた花弁を入れ、深梅は「うん!」と大きく頷いていた



リーフ『そろそろお参りだっけ、していかない?』


セザール『それもそうだな、桜以外にも見るものはまだまだあるからな』


と、リーフの提案に皆頷きお参りの為に拝殿の方へと移動して行った



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