序章 とあるシロツメクサの日記
目が醒めるとそこは
「ここは…?」
私は見知らぬ草原の中で立ち尽くしていた。
私の名前はクローバー
シロツメ王国の女騎士…という設定の人物
というのも私は前世の記憶がある。日本のゲーム好きなJKだった。
前世の頃に大好きなゲームシリーズがあった。
『フラワーランゲージ』
全10作品のゲームでゲームシステムは変わらないけど一つ一つが主人公と話が違うゲーム
その9作目に出てくるのが私、シロツメ王国にやってきた主人公一行に手を貸そうとする。
でも私はあまりその9作目の話をしたくない…
だってその9作目には…
『メアリー・スー』が居る
『メアリー・スー』ことメアリスという修道女キャラが居る。
メアリスは神に忠誠を誓っている一方で神に忠誠を誓わない者には容赦無いキャラクターで、神をあまり信じていない私に対して当たりが強く、最終的に彼女の断罪によってクローバーは物語からサヨナラしてしまう。その後のフォローも何も無い。
一方その後メアリスのお陰で主人公一行は使命を果たすというシナリオ。
そう、『全部メアリスのお陰で』
ゲーム発売時はファンは荒れに荒れた。
私は大好きなシリーズだから…と、やったけど正直言ってシリーズ一酷かった。ゲームシステムも良い所は全部無くなっていたしシナリオはアレだし。
そんな作品の世界に、しかもまさか断罪される『クローバー』に産まれ変わるなんて…
事実を知った時は絶望した。けれどもクローバーになったのならしょうがない!断罪イベントを避けつつ主人公一行を助けよう!!!!!!
と、思ってた時期が私にもありました。
メアリスは思った以上に私に当たりが強く、なんと断罪イベントを発生させ私の非をでっち上げたのだ!
思い出したくないので簡潔にまとめますが、そこからはゲームと同じようにメアリスの言い分を信じた周りの者によって私は非難され、人生は転落し、私は城の地下牢に幽閉されましたとさ。
私の人生は何だったのか
私はなんでここに居るのか
そう考えて眠りについて
目が醒めたら
そこは見慣れぬ草原でした。
これは、私が『メアリー・スーの居ない世界』で新たな人生を歩む物語
やろうとしていたゲームにメアリー・スーが居るらしくて萎えた回数、二回。
余談
メアリー・スーについて調べたらクローバーの境遇と似た事件が実際にあってビックリ。リアルでそういう事はやめてくれよ…(絶望)