第二話 新たな世界で・・・
「ここは・・・どこだ?」
意識がはっきりしてきて俺は驚いた。
目の前にはたくさんの木と、青い空が広がっていたからだ。
そして、周りを確かめるように首を曲げたら
渚が倒れているのが見えた。
「おい渚!大丈夫か!?」
「ん・・・まだ眠いよぉ・・・」
よかった、ただ寝てただけか。
もう少しこいつの寝顔を見ていたいんだけどそうもいかないしなぁ。
「おい!起きろ!」
「ん・・・?どうしてメロンパンがしゃべって・・・じゃなかったここはどこ!?」
こいつ・・・このまま寝ぼけてたら俺のことを食べてたんじゃないか?
こわっ!!まぁいまはそんなことどうでもいい。
「お前はここがどこだかわからないか?」
「わからないけど・・・ただここにある木は全部日本にはない木だよ。てゆうか世界にも多分ないと思うよ。」
「そんなことわかるのか!?」
俺は勉強はできるが動物や自然についてはまったくと言っていいほど知識がない。
「だってこの木とかてっぺんに花が一輪咲いてるだけだし、それ以外になにも葉とか生えてない木なんてないよ。」
「まぁ言われてみれば確かにそんなの見たことないな・・・」
そんなの誰だって見ればわかるって?悪かったな!ホントに知らなかったんだから。
「だから多分まだ夢を見てるか・・・違う世界にきちゃったとかかな」
「こんなにはっきりしている夢なんてないだろ・・・。」
やっぱりここは異世界なのか?
「おい!お前ら!そこでなにをしている!?」
だれだっ!?上のほうから声が聞こえたはずなんだけど・・・
「壱っ!あそこ!!」
渚が指を指しているところは空だった。
俺も見上げてみるとそこにはローブをまとったような男がいた。だが・・・
「あいつ浮いてないか?下にはなにもないはずだぞ!?」
「ホントだ・・・」
「おいっ!降りて来い!!」
そいつは片手を振り下ろすと強い風とともに降りてきた。
まるで魔法みたいだな。
「ここは俺達の村者たちにとってとても神聖な場所だ!それに魔力が充満しているから他の村の人間が勝手に入っていい場所じゃないんだぞ!!」
魔力?あいつ魔力って言ったか?
それじゃあここでは魔法が使えるのか?
とりあえずいまの俺達の状況を説明すればあいつもいろいろ教えてくれるはずだ。
魔力や魔法についていろいろ聞いてみる価値がありそうだ。