第一話 幼馴染と不思議な本
今日も先生の話が終わり皆ばらばらと帰っていく。俺もその一人だったんだがな。
こいつのせいで・・・・
「おい!なんで俺がお前の手伝いなんてしないといけないんだよ・・・」
俺の名前は赤瀬壱人だ。
「いいじゃん♪私と壱の仲じゃん!」
こいつは桜井渚だ。こいつとは小学校のころからずっと同じクラス。
しかも家が2軒隣という家族ぐるみでの付き合いだ。
「まぁたまに手伝いを頼まれるくらいならまだいいよ?でも・・・」
そう俺はこいつがクラス委員長になってから1週間くらいの間毎日、毎日だぞ!?
朝から放課後まで、休み時間のたびに手伝わせれるんだぞ?
「じゃあ壱はこんなかよわい女の子に一人でやれっていうの?」
そんな目を潤ませながら上目遣いで見ないで。
そんなことされると・・・
「・・・わかったよ。じゃあ次は何をすればいい?」
渚は多分学年でも結構かわいい方に入ると思う。いや、一・二番を争うくらいのかわいさだ。
そんな子がこんな顔したら断れないって・・・
「じゃあ次はね〜この本を一緒に図書館まで運んでくれる?」
「じゃあさっさとすませて家に帰るぞ!」
俺は渚の持っていた本を奪うととっとと図書館に向かって歩き出した。
「待ってよ〜」
後ろから渚がトコトコと走ってくる。
俺はそんな様子を聞きながら図書館に向かってどんどん歩いていった。
すると渚が追いついてきて話しかけてきた。
「最近の授業理解できてる?今度ヒマだったら私に勉強教えてくれない?」
俺は勉強はかなりできるほうだ。クラスでも3番目には入ることができるだろう。
だからたまにこんな風に勉強を教えてくれといわれることは少なくない。
「じゃあ今度時間ができたらな」
そんなことを話しているうちに図書室についた。
「渚!図書室の鍵をあけてくれ」
「あ、分かった!」
渚は床に本を置いて鍵を開けた。
この学校の図書館は結構広い。本も多く、古くからあるようなものもある。
「その本はそこに置いて!これはここで・・・」
渚は本の位置を俺に伝えつつ自分でも片付けていく。
「なんだこれ?」
俺は棚の奥に隠すように置いてあった本を手に取った。
表紙には鎖になにかがまかれたような絵描かれていて、その中心に鍵穴のような穴があった。
「なに?その古そうな本。壱の本?」
「違うぞ?これはこの棚の奥にあったんだ」
俺は再び本に目を戻すと引っ張られるように鎖をなぞってみた。
そして俺はまた渚に頼まれた本をしまおうとした。
「ちょっと壱!!本の鎖が・・・・・動いてる!!!!」
えっ!?俺は急いでその本を見た。ホントだ!
鎖が動いて絵が見えてきた。
「これは・・・扉か?」
さっきの鍵穴は扉の中にあった。
「ねぇ、これって開かないかな?」
渚がその鍵穴に図書室の鍵を差し込んだ。
カチッ!
「「えっ!?」」
その瞬間俺は身体が流れに向かって泳いでいるような不思議な感覚の中で少しずつ意識が薄れていくのがわかった・・・・
まだ慣れていないので、書くのに時間がかかるかと思いますが、よろしくお願いします。
誤字、脱字などがあったときも教えてください。