その世界はどんな色なのか。
空を飛ぶような浮遊感。
両足が地面から離れているよう妙な感覚。
だがその開放感とでも呼ばれるような感じはすぐに消えて、霧で前が見えないほどになっている空間の真ん中に俺は立った。確実に足を地面に着けて、俺は立っていた。
ここはどこだろう。そう考えながら周囲を見回っていると、霧の中のどこかで一人の女の子の声がした。
"ねぇ、君。"
。。。
"ねぇ、聞こえるんでしょう?もしこの声が聞こえれば、左手を上げってちょうだい。"
なんだか普段より重すぎる手を上げた。そうしたらまた声が聞こえてくる。
"そう、よがった。まだ上がれるんだね。じゃ、突然だけど今から一つ重要な選択をする義務を与えるわ。君はただそれに答えてくれば良い。義務だから別に拒絶はできないけれど。"
じゃ、なんで聞くんだよ。ていうか、この人 ーもし人だとしたらー いきなり声かけてさりげなく話を進もうとしている。
そう考えていると、ふと、声の主人が笑う音が聞こえる。一体どこから話をしているんだろう。
"あはは、その面独裁と言う表情いいね。まぁそれはそれとして質問。始めての登校、車でする?それとも電車でする?"
。。。は?
"ほら、選んで。車?それとも電車?
。。。それが重要な選択?
"そう。最も重要な選択。"
ただの登校手段を選ぶのが重要な選択って。。。
俺、一体何てことに巻き込まれちゃったんだろう。。。
そう考える姿を目の前で見たような声が、また聞こえる。
"そんなに呆れた顔しないで。今最も呆れているのは私達だからさ。"
。。。私達?ここにまた誰かいるのか?
いや、そもそもここはどこだ?
俺は一体誰だ?
俺の質問に謎の声は何の答えもしてくれながった。自分で探しなさい、と言うことかしら。
"今私が君に話すことができることはない。けど、いつかその時が来たら全部答えてあげるわ。"
そんな時が来るのか?
"そうね。君が今選択し、その選択が私達の記憶の世界を崩すことがない限り君はいつか私を会いに来る。今答え出来るのはこれだけ。"
。。。本当に不親切である。
"で、どっち?"
その言葉と共に霧の中から二つの交通手段が出てきた。
一つは近代イギリス風の電車、もう一つは赤い色の自動車だった。
これらの一つに乗ると、俺は学校に始めて登校することになるのか。。。
じゃ、もしかして俺は今明日乗って行ものについて考えているのかしら。
電車と車なら何処か遠い処まで行くのだろう。
じゃ、俺はどれを選ぶべきか。
よく見るとそれぞれの交通手段の中にいる女子高生と見覚えがある家族。
その中央から話は聞こえてくる。
"君の選択は電車なのね。"
え?俺はまだ。。。
"まだ何も選んでながった、と言うつもり?だけど君にそれはできないよ。"
なぜ?
"今君には車と電車以外に何が見える?どんな色をしている?"
周りの景色を見回った。どう見てもどこを見ても、白い霧しか見えない。
"だから、電車しか選べない。これは確実な君自身の選択だわ。"
。。。どうして?
"それは私にも分からない。君がその後を見て来るしかない。まぁ、その時にもこのまんまかもしれないけどね。"
まるであざ笑うような声。一体この女は何を言っているんだろう。
"じゃ、私は車で行くわ。"
その声がした後、赤い車の後ろのドアが開けられ、すぐに閉じられた。
もしかして、あの車二ある家族はあの声の主人の家族なのかしら。
何も分からないまま電車に乗って、先外で見た窓の隣に座っている女の子の隣の席に座った。
銀色で輝いていて、ゆるふわな天然パーマがかけている髪、炎のように赤くて宝石みたいにキラキラと光る大きい目、全体的に可愛いし色々と大きい人であった。
狐の耳と尻尾が着けている事を除外すると本当に普通な女の子だった。
隣の女の子の姿を見ていると、車の方からまた声が聞こえてきた。
"それでは、また学校で会いましょう。"
その直後、車は前に進んで霧の中に入って姿を消した。
車が消えた後、電車も動き始めた。
ガタンと電車が線路を走り出す音が聞こえ出したのは少し後のことであった。
。。。ちょっと待って、ならばもしかして先の声の主人は俺と同じ学校に行くの?
それを考え出した瞬間、俺の意識は霧のせいか、それとも体が非常に重いせいか、完璧に飛んで行ってしまった。
ガタンガタン、線路の上を走っている電車の音が聞こえる。
それと一緒に、俺の左のほっぺを指ぽいのが指すことが感じる。
目を開けて、その指の主人を見た。
それは、女の子だった。
銀色で輝いていて、ゆるふわな天然パーマがかけている髪、炎のように赤くて宝石みたいにキラキラと光る大きい目、全体的に可愛いし色々と大きい人。
狐の耳と尻尾が着けている事を除外すると本当に普通な女の子だった。
それに、何か見覚えがある顔だった。どこで見たのかは分からないけど、見覚えがあるのは間違い無がった。
"あっ、起きた。"
指を収めながら女の子はそう言った。
"。。。誰?"
寝ぼけに近い俺の質問にあの子はこう言ってくれた。
"あ、私?私は「ステラ・デ・レプリカ」と言う人。怪しい人とか危ない人じゃないから安心して!"
可愛く微笑みながら自己紹介するステラ。
いや、その点は別にいいですけどその耳が一番気になりますが。
それに、どうしてこの人は初対面の俺とこんなに近付いて仲良く話すのが出来るんだろう。
ドンドン近付くステラから少し離れたらその分、また近付く。ちょっと、近い過ぎますよ。
"ねぇねぇ、君は?名前は何?サイドはどこ?"
うわ、テンション高い。
目をもっとキラキラしながら質問攻めを会うステラ。
こんなことのあんまり慣れていない俺は慌てながらなんとなく答える。
"え、えっと、名前は「月島」と言います。サイドは質学。"
そう言いながら外を見ると、電車は今川の上にある橋を通ろうとしていた。
"あ、アジア系なんだ。"
"ええ、日本出身です。"
"ふむふむ。あ、敬語使わなくてもいいよ。私も新入生だから。"
また微笑む。なんと言うか、ちょっと照れるな、これ。
"それに、"
"うん?"
ステラが俺の顔を見て何かを考えるように尻尾をそよそよと振るわせた。
そして彼女が唇を開け、何かを言おうとしたその瞬間、
ー大きな衝撃と、なぜか慣れている浮遊感が襲ってきた。
そしてその衝撃による破裂音と電車のブレイクの音が耳障りだった。
だが最も大変なことは、その衝撃によって電車が倒れ始まったことであった。
電車の中は当然阿鼻叫喚。
俺とステラも突然起きた事件によってあっちこっち転がったりぶつかったりした。
"きゃあー?!"
"ステラ!"
ステラが転がって転がって、割れた窓の外へ飛んで行っちゃう瞬間、廊下の方にあった棒を握っていた俺が彼女の手を握った。
ステラは俺の腕に縋り、川に落ちろうとした自分のカバンを捕まえた。
"ありがとう!少し待って!今助けるから!"
"なんだって!?"
ステラの声がよく聞こえながった。
きっと、必死に棒を握っていてもう何も聞こえなくなったんだろう。
だがそんなに一層言明に頼っていたが、それも一分ぐらいになるとよっぽど疲れてしまった。
棒から指が一つ二つ離れていく。
ステラの手もズルズルと滑って行く。
'ああ、これで終わるのか。'
そう思って、そろそろ頼るのを諦めようとしていった時、
"行け!レビ君!"
「ワン!」
後ろから聞こえるステラの声。
そして「レビ君」と呼ぶような犬の鳴き声。
そして次の一瞬、棒から手がはなれて俺とステラは落ちて行く。
このままならきっと俺達の命はここで終わっちゃうんだろう。
だが、俺の運命や生命線はまだ終われながったようだ。
パッ、と俺とステラの体は炎に囲まれ、空を飛ぶようになった。
一体、これはどうゆうことだ?
いきなり起きた事にわけが分からなくなった俺は、体を燃やさない炎の上に足を付けたまま立った。
そしてあそこには、
"大丈夫?熱くないかな?"
炎で出来ている巨大な犬の頭の上に座っている、炎のように赤くて自ら光っている髪を持ったステラであった。
周りを見ると、俺達が乗っている犬のように炎で出来ている犬達が背中に電車の乗客を乗せて空を飛んで行った。
"これは。。。一体。。。?"
ぼやっとした俺の反応を見たステラが言った。
"改めて紹介するわ。私わ「ステラ・デ・レプリカ」。サイドは魔法。炎の家紋、レプリカ家紋の第24体当主よ。"
そう言うステラの姿は、とっても輝いていて、素敵な色で空を染めていた。