鬼神との遭遇3
不意を衝いて何とか中学生達を追い払うことが出来た。
危なかった。この武人中学生の魂を吹き飛ばそうとしていたよね。元和君のように自分で魂を散らしただけでも、長い間自失してしまったのに、他の存在に魂を消されたりしたらどうなるか想像もできない。
それにしても中学生達本気で殴り掛かってくるんだもんな。身長なんて3倍以上あるんだよ。殴られたら死んじゃうって。
まじかで見上げると、古代の武人さんでかいなぁ。見上げる位置にあるから表情は見えないけれど、いまは怒っていないみたいだ。穏やかな波長を感じる。やっぱり、これは神様だよね。柏手を打つのもなんだし、武人への礼と言ったらこうかな。右ひざを付いて、左手は胸の前にして一礼してみた。
それから立ち上がってタダスさんに声をかけた。
「匡さんですか?」
タダスさんは茫然と僕を見ていた。魂が抜けたようだとはこういう時の表現だと思うけど、その魂と思われる武人さんからの圧力はひしひしと感じている。落差に頬が引きつりそうだ。
「匡さん?」
「あ、はい。・・・」
「大事な話があるのですが、中に入りませんか。」
「うん・・・。」
僕が歩き出すと、匡さんは後から付いてきた。
食堂の角の席に座ってもらい、給茶機からお茶を汲んでくる。匡さんに落ち着いてもらいたかったし、僕もさっきの戦闘でのどが渇いた。少しの間黙ってお茶を飲んだ。匡さんは目をおどおどさせている。
「匡さん。これから信じられないようなことを言いますが聞いてくれますか?」
「えっ。はい。」
「匡さん。僕にはあなたの後ろに古代の武人がいるのが見えます。」