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更なる異能の目覚め3

「ダイヤ君。頼みがあるんだけど。」

「あ~?」

「僕、これから元和君とお話しようと思うんだけど、少し怖いから手を握ってくれない?」

「なんだそりゃ?」

知ってしまった以上ほっとけないよね。でもなぁ、知ったらますます黒い子がはっきり見えちゃったんだよね。あれ、完全に死体だよね。

怖いなぁ。

ダイヤの精神は単純だから、触ってると落ち着くんだよね。せめてダイヤに手を握ってもらえれば心強いんじゃないかと思ったんだけど。

「一郎君。手握ってほしいの~?」「のー。」

「鈴子が握ってあげるよ~。」「蘭子も握ってあげるー。」

「あー。そうしろよ。男同士で手ぇ握るなんて気持ち悪いだろう。」

「いや。僕はダイヤ君とが落ち着くんだけど。」

「鈴子とだと興奮する~?」「するー?」

「あー。肩支えてやるから、手は双子とつなげよ。」

というわけでまるで騎馬戦のような状態で元和君と話すことになってしまった。

まあ、話してどうにかなるかも分からないけどね、あれが見えているのは僕だけなんだし、出来ることはしとかないと気持ちが悪いね。

「元和君。」

「・・・・・元和君?」

舐め上げるような視線きたぁ。黒い子とも視線合っちゃったよ。

「僕は・・・1番だよ?」

「・・・?」

「・・・お前は何で2番が見える?」

「2番って・・・黒い子のこと?」

凄い圧力を感じる。視界いっぱいに元和君と黒い子の顔が広がっている感じ。

“なにこれ~。変なの見えてるよ~。”“不気味―。”

“なんだこれ。白黒の元和がみえるぞ。”

鈴子・蘭子・ダイヤの思考を感じた。そうか、こいつらにも見えたんだ。

少し助けられた気がした。

「2番って、亡くなった弟さんのこと?」

「2番は・・・2番だよ。僕はいつまでも2番と一緒にいるって決めたんだ。」

「でも、弟さんは亡くなっているんだよ。それに・・・」

がっ。元和君が僕に掴み掛ってきた。

「やはりお前は僕から2番を奪うつもりかぁ!」

「それに、その黒い子は君の顔をしているよ。」

元和君が硬直した。僕の目を通して、初めて黒い子の姿を見たのだと思う。

それは、ひどく歪んではいるけど、明らかに元和君自身だった。

「あぁ・・あ~~~~~~~~~。」

元和君の絶叫で飛んできた職員によって、僕たちは引き離された。


元和君は入院することになった。

黒い子は元和君の弟の幽霊ではなかったのだと思う。元和君自身の魂が歪んだ形で現れたのではないかと、僕は思う。

「すげぇの見たなぁ。」

「見たね~。」「見たのー。」

「最後ぶわぁて吹き飛んでったよな。」

「ばあ~んって。」「びゅーって。」

そう、病院に連れられて行く元和君の肩には、もう黒い子はいないのだ。それでどうなるかは分からないけれど、何かは変わるのだと思いたい。


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