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96.chapter
「そろそろ休憩にいたしましょうか、お嬢様?」
歩き疲れてふらふらしていた私に見兼ねたのか、刻が声を掛けてきた。うん、お願いします。
「じゃああそこのベンチにでも座るか」
「そういたしましょう」
刻は大量の服を平然と抱えたまま手ぶらの私にベンチをすすめる。
「なんかごめんね2人とも……興ざめさせた?」
「気にすんな。お前の息抜きだからな。お前に付き合うのが筋だろ?」
「そうですよ。それに私にお嬢様が謝罪されることなどなに一つございません。私はお嬢様の執事ですから」
2人はそう言い、同時に微笑む。
「今何かお飲み物でも買って参りましょう。何かご希望はございませんか?」
「麦茶」
「かしこまりました。風見ヶ原様は」
「あ、俺は良いよ」
「承知致しました。それでは少々お待ちください」
刻が一礼して去っていく。




