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95.chapter
「デニムパンツってこの辺りか?」
「そうですね」
2人は私の意見を聞かないまま歩き回る。
……というか、今更ながらこの2人と歩いていることに激しく後悔。
何でって。
「あの人カッコよくない?」
「えー、あたし右の人の方がいいー」
「お嬢様、だって! 執事みたーい」
「本物かもよ? 羨ましいー!」
…………そうね。忘れてた私が馬鹿なのね。
この2人無駄に格好いいんだよな!
タイプこそ違えどイケメンと言って恐らく差し支えないだろうし。攻略対象ならともかく何でモブキャラのこの2人が背が高くて格好良くて声まで綺麗なの? 納得いかん。
まさかヒロインへの配慮? いらないわー……
そうしてだらだらと私は2人についていく。
私たちを見守る影のことなど、露ほどさえも知らぬまま――




