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この乙女ゲームは死亡フラグが多過ぎます。  作者: 天音 神珀
episode.1    この乙女ゲームは死亡フラグが多過ぎます。
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90.chapter

「あ、この椅子いいかも」

「それ高くない?」

「俺、一回はこういう椅子に座ってみたいんだよね」


 そう言いながら玲が叩くのは、ものすごく値の張るフカフカした椅子。まぁ座ってみたいかもだけど、自分で買う気はしないな。


「お嬢様は何か欲しいものなどございませんか?」


 刻の言葉に、


「んー、今はとりあえず平穏が欲しい」


 そう返すと、刻は眉根を寄せて困惑を見せる。


「……それは」


 まぁ反応に困るよね。


「泉、刻を困らせんなって」

「刻、冗談だから。あんま重く受け取らないで」


 笑ってそう言うと、刻は「いえ」と首を振る。


「お嬢様が壊れるくらいなら、私は何でも致します」


 ……………………。


 うん、重い。


 刻は真面目だからな。


「刻、泉のは冗談だから。冗談。判ってるかー……?」


 玲が訊ねると、刻は小さく頬笑んで「はい」と頷いた。


 ……本当かなー。

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