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8.chapter
(ほんと、何で君はそんなにバカなの? あの場面で自分のことを幽霊だとか言う? 普通)
「すみません……」
今日は彼に怒られてばかりだ。
謝ったのは何度目だろう。
これから、どうしようか。
当然、保健室に行く気はない。こうなったらクラスに戻って堂々と寝ていようか?
でも、このまま戻ると、まるで彼らの好意を跳ね除けてしまったような感じになるかも……?
(いらないことごにょごにょ考えてないで戻ったら?)
心を読まれた。
ちなみに――彼の存在は私もちゃんと把握し切れているものではない。そして、クラスメイトたちも知らないし、今まで体験してきたルートのどこでも、彼はちゃんと登場していない。
――隠しキャラなのだろうか?
(全然隠しキャラとかじゃないけど。ふざけた妄想やめてくれる? 想像でも虫唾が走る)
そんなにですか!?
私何かしたっけー……?
真剣に悩んでいると、トン、と肩に手を置かれた。
「……へ?」
「保健室にでも行くのか? だがしかし断る!! ふははははは!!」
……!?
振り返って私は唖然とした。