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80.chapter
まだ苗字でしか呼ばれてないのに下の名前まで明かして否定する奴がどこにいるの。しかも振り返らずに。明らかに本人じゃない!
「……何言ってんだお前?」
ですよねそうなりますよねごめんなさい。もう一度やり直したらダメですか。
「……おい?」
「泉ー」
玲の声が天使か何かの声みたいに聞こえるよ! グッジョブ玲!
「待たせて悪ィー」
「……誰だアンタ」
車の扉を開いて出てきた玲に声の主――祈がつっかかる。巻き込んでごめんね玲。
「んー? あ、攻略対しょ、」
思い切り玲の足を踏みつける。
「っつ。えー、泉のお友達?」
こんな怖いお友達は欲しくない。
「友達っつうか部活の縁」
「あ、泉がいつもお世話になってます。俺この子の婚約者」
祈の目が点になった。




