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66.chapter ◆
「ありがとうございます。でも、大丈夫ですから」
笑ってみせると、櫟は小さく頷き、私から離れた。
「……いずちゃん」
「はい」
「がんばれ?」
何をだ、何を。
さて、私はそろそろ行かないと。授業に遅れる。一時間目は確か、えー…体育。最悪だー♪
運動神経の切れた愚鈍は死ねとおっしゃるか!?
まぁいい。ぐだぐだ言っても仕方ない。我慢しませう。
「そろそろHRも始まりますし、私、もう行きますね。手当て有り難うございました」
「ううん。どういたしまして」
消毒液が未だに痛む膝に負担をかけないよう立ち上がり、ぺこりとお辞儀をすると櫟もお辞儀を返してきた。
こうして見てみると櫟って普通に見えるんだよね。普通じゃないバッドエンドを迎えさせられたような記憶があるけれども。
私は櫟の眠そうな視線を背に感じたまま保健室を後にした。




