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この乙女ゲームは死亡フラグが多過ぎます。  作者: 天音 神珀
episode.1    この乙女ゲームは死亡フラグが多過ぎます。
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5.chapter

「俺はねー、この学校出身のー……」

「聞いてないです」


 私は後ろを振り返らずに答える。


 後ろを振り返れば恐らく、女子ならほぼみんなが憧れそうな王子顔の青年がいるはず。そして私はソイツ――攻略キャラクターに、顔を覚えられるわけにはいかないのです。

 何故って、ここでフラグが立ってしまったりしては困るからですよ。


 こいつのイベントは随分後に起こる予定。なのに今ここで下手に接触して顔を覚えられると、どうなるでしょう?


 まぁつまり、予定通りにイベントが運ばず、バグが起きる可能性がある、ということですよ。簡潔にいうのなら。


 さて、ではどうやってこの状況を切り抜けるべきか。



 作戦その一!  ひたすらに逃げる。挙動不審(きょどうふしん)でも構わずにとにかく逃げる。全力疾走。


 ………これは、不可能か。私は致命的に足が遅いし、追っかけられたら終わりだ。追いつかれれば、逆に印象付けてしまうかもしれない。


 作戦その二!  言い訳しつつ確実に逃げる。


 いや。これしかないよね。選択肢を出した意味がないな。



 しかたない。色々言い訳して誤魔化して逃げよう。



「うん照れなくても良いよ? 俺の名前はねー」

「そういえば用事を思い出しました。今すぐ行かなきゃ殺されてしまいます。ではさようなら」

「うん、流石にその言い訳はアレじゃない? っていうかちょっと待ってよ」

「待てないです殺されてしまいますきゃー死んじゃう」

「すごい棒読みだ。うん、個人的には誰に何でどのように殺されるのか凄く興味があるけど、とりあえず落ち着こうか」


 あなたが消えてくだされば落ち着けますよー。

 とかね!! 言いたくても言えないしね!!

 好感度は上げても下げてもダメ。なかなかハードルが高いな……


 そんなことをつらつらと考えていると、背後から彼が正面に回ってきました。


 ……えっ。顔見られたらどうするのっ。ど、どど、どうしよ!?


 そこで私は、不審に思われるのを覚悟してその行動に出た。

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